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カカシの夏休み
カテゴリ: 重松清 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

第三十四回。
重松清の『カカシの夏休み』
短編としては長いので、中編集かな。
三篇収録。

「カカシの夏休み」

 わかっている。
 僕たちがほんとうに帰っていく先は、この街の、この暮らしだ。


表題作。
帰りたい場所があるってことはきっといいことだと思う。
たとえもう帰ることができなくても。

重松清の登場人物は皆、本当はいい人だ。
問題があってもそれは、不器用で見栄っ張りでどうしたらいいかわからなくて、そういう人たちばっかりだ。
閉塞した現実の中で、翔太と早希の明るさや、なんだかんだで付き合ってくれる友人達が救いだなあ。

「ライオン先生」

「親や教師はお手本なんかじゃない。ただオトナなんです。努力や我慢がほんとうは報われないことをコドモより知っていて、でも、いつか報われるんだとコドモより信じてて……信じたいですよね、ぼくら……」


主人公の雄介は、教師らしからぬ長髪がトレードマークのいわゆる熱血教師、通称ライオン先生だ。
だが、実はその髪の毛はカツラなのだ。
大学生の娘がいる自分がもう生徒達と一つになれないことも本当はわかっている。
22歳の新米教師だった頃の自分と今の自分がもう違うことも。

若者が変わってしまった、という人たちは、自分達も変わってしまったのだということに気付いていない。
無理に迎合しようとも思わないけど、そのことに気付くことができない中年にはなりたくないな~と思う。
自分も、相手も、変わって、そしてこれからも変わっていく事を理解して向き合えるようになりたいな~。
それができるライオン先生は、偽者のたてがみをはずしても、きっとライオン先生だ。

「未来」

 わたしをひとごろしにした人の名前は、長谷川君という。下の名前は忘れた。最初から知らなかった。


「まーくんは絶対にひとごろしなんかじゃないんだから、お姉ちゃんみたいに病気になっちゃだめなんだから」


前の二作とは大分毛色が違う。
ここで描かれるのは中年オヤジの悲哀ではない。

些細な、本当に些細なことで、同級生の自殺の原因を作ってしまい、その結果心を病んでしまった主人公、みゆき。
ある日、みゆきの弟の同級生が自殺した。
そしてその遺書には弟の名前が書かれていた。

ここまで筋をいえば後の展開は大体想像がつくと思う。
正義を振りかざすマスコミの取材攻勢はいつみても不愉快だな、と思う。
その後、事実が明らかになったら、手のひらを返して知らん顔をするところも。
これがそんなに大げさじゃないってことが怖いよな~。
マスオさん(笑)はまだ良心的なほうだろうな~。

死んだ人の事を悲しそうに語るのもいいけど、笑いながら語ってやったほうが、きっといい。
若いうちの死でも、不慮の事故でも、たとえ自殺でも。
バカだなあいつって笑い飛ばす方が、きっといいとおもう。
人によるだろうけどね。



凄い面白かった。
平均値が凄い高い。
中年オヤジの話しかないのかと思ってたけど、そうじゃないこともわかったし。
好きだけどね、中年オヤジの哀愁は。



評価:AA



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2008 11/13(木)開設

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