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Another
カテゴリ: 綾辻行人 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

<死者>は、誰――?


第百五十九回
綾辻行人の『Another』

夜見山北中学校三年三組に転校してきた榊原恒一。
しかしそのクラスはどこかがおかしかった。
眼帯の美少女、見崎鳴のことをだれもが、そこに<いないもの>のように扱っているのだ。
まるで自分にしか鳴が見えていないようで困惑する恒一。
そんな中、委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げる。
だがそれは、ほんの始まりに過ぎなかった。

ミステリーの名手、綾辻行人が新たな代表作と自負する作品である。
アニメ化もして、実写映画化の予定もあるようだ。
しかし、映像化した場合、核心となるアレはどうするんだろう?

内容としては「囁き」シリーズと雰囲気の似た超常現象ありきのホラーである。
と、同時にミステリであり青春小説でもある。
しかしまあ、グロいグロい。
傘の先端とか、ひゃーって感じだ。
とはいえ、私もそれなりに色んなグロい作品も読んできている。
まあ割と平気だった。
『殺人鬼』シリーズに比べたらね、こんなもんね。

以下ネタバレ含む。

序盤は、鳴は実在するのかという点で話が進むが、まあ、さすがにあの描写で鳴が幽霊だと思う人は少ないだろう。
そして中盤からは<現象>の謎について、とりわけ紛れ込んだ死者は誰なのか、という所がメインとなる。
<現象>の解決方法、死者を死に還すというのはまあ、何というか、オーソドックスというか、予想はついた内容だった。
ちなみに死者が誰かについては、何とはなしに予想がついていた。
根拠があったわけではない。
完全に勘である。
だが、まさか同一人物だったとは思いもしなかった。
これはしてやられた。
しかし、ヒントはあちこちにばらまかれていた。
後から思えば、違和感があったり、引っかかっていた場所はほとんど伏線だった。
鳥の名前とかモロじゃないか。
じっくり考えれば、あるいは謎を解き明かすこともできたかもしれない。
でも私はそうしなかった。
それはもちろん続きが気になって仕方なかったからだ。
じっくり考えてる暇なんかない。
上下巻一気に読みましたとも。

要するにとても面白かったということだ。
読みやすい文章に、先が気になる展開。
扱っている内容自体はそれほど目新しいものではないように思う。
でもそこはさすが綾辻行人である。
しっかりと読ませてくれる。

ただ、もっと広げることができたのではと少し思った。
何というか、描写されている人物が非常に限られていて、物語の世界が狭い感じがするのだ。
血の通った人物として描かれているのはほとんど恒一と鳴だけである。
後はせいぜい千曳と怜子さんくらいか。
だから人が死んでも、ああ死んだくらいの感想しかない。
最後なんか六人も死んだが、管理人と赤沢以外、それまで名前も出てきていないんじゃないだろうか。
まあさすがにクラス全員の描写は無理だろうが、もう少し色んな人物の描写にページを割いても良かった気がする。
だが、これはある意味、ミステリ作家らしいのかもしれない。
解説でも言われているが、人物ではなく、駒なのだろう。
精緻に組み上げられた物語故か。

さて、作中では、死者を死に還すことで<現象>は止まった。
が、それは根本的解決がなされたわけではなく、あくまで今年度は止まっただけである。
来年度以降はまた<現象>が始まるのだ。
途中までは、<現象>に対する根本的解決が図られるのではと思っていたので、意表を突かれた。
まあ、鳴の目があれば、紛れ込んだ死者を見つけることはできるだろうが。

この<現象>のこれからや、恒一と鳴の今後なんかも作者の中には構想があるようだ。
これは楽しみである。


評価:AA


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2008 11/13(木)開設

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