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WILL
カテゴリ: 本多孝好 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

けれど、死者を偽ることだけは私は許せない。


第百五十八回
本多孝好の『WILL』

18歳の時に両親を亡くし、葬儀屋を継いだ森野。
彼女の元に様々な厄介ごとが舞い込む。
葬儀の直後に娘に届けられた、死者の描いた絵。
自分を喪主に葬儀をやり直して欲しいと言い出す女。
老女の元に現われた、夫の生まれ変わりだという少年。
そして、アメリカに行った幼馴染、神田との関係は。

『MOMENT』の続編というか姉妹編というか、まあそんな位置づけの作品である。
『MOMENT』は死を目前にした人間の願いを叶える話だった。
一方『WILL』は、死んだ人間……、少し違うか。
死んだ人間と、その周りの人間の話だ。
いや、それも正確ではないか。
この物語は森野の物語だ。

森野の一人称で物語は進む。
そこで描かれる彼女の内面は、思いのほか柔らかい。
口の悪さから思われるほど捻くれてはいないようだ。
彼女が社長を勤める葬儀店で行った葬儀の後に起こった不思議な揉め事を解決するために森野は奔走することとなる。
そしてその中で、失った両親のこと、かんだとの関係の事を森野は考える。

というか森野が乙女過ぎてやばい。
神田からの電話がかかってくるたびに、従業員を追い出し一人になる所とか。
図太そうなのに、このギャップである。
そして神田との関係は『MOMENT』の頃とは大きく異なっている。
超遠距離だが、恋人、と言っていいと思う。
いや少しこの辺は微妙ではあるのだが。
でもプロポーズらしきことはされている。
そして保留状態というわけだ。
この保留には色んな微妙で繊細な問題がある。

文章の空気が初期の本多孝好に近いと思う。
私はとてもこの雰囲気が好きだ。
桑田なんてとても「っぽい」人物だ。
一見バカだが、根は善人で。
竹井もいいんだよなあ。
森野を見つめる眼差しが優しい。

しかし神田もそうだったが、森野も名探偵である。
森野に持ち込まれた事件の中で、人々は、怒ったり、泣いたり、すれ違ったり、嘘をついたりしながら、最後は収まるべき所へ収まる。
そしてそれは森野も例外ではないのだ。

佐伯杏奈の話が一番好きだ。
もちろんその最後も含めて。
彼女の父親は本当に懐の深く、情の厚い人物だったのだなと思う。

ああ、でも本当にいい雰囲気の作品だった。
あ、後表紙のデザインが凄く好き。
単純な星空だがなんか凄く好きなのである。


評価:AA


WILL (集英社文庫)WILL (集英社文庫)
(2012/03/16)
本多 孝好

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Edit / 2012.04.12 / Comment: 4 / TrackBack: 0 / PageTop↑
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gaker

Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
もう家に本を置く場所がありません。

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2008 11/13(木)開設

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