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有頂天家族
カテゴリ: 森見登美彦 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

「面白きことは良きことなり!」


第百十三回
森見登美彦の『有頂天家族』

偉大な父親から阿呆の血だけを引いて生まれた矢三郎は、狸の名門下鴨家の三男だ。
面白く生きることだけを考える矢三郎だが、頑固だがいざとなると弱い長男に、もはや狸ですらなくなった次男、臆病者の四男と兄弟そろってへなちょこである。
だがライバル狸の金閣、銀閣も負けず劣らず阿呆である。
というか狸にはすべからく阿呆の血が流れているのである。
そんな狸たちが京都の町を駆け回る、狸だから男汁は出ていないが、随所に森見節あふれる物語だ。

女性陣が強い物語である。
矢三郎たちの母親や、矢三郎の元許嫁、海星、天狗の弟子の弁天などだ。
特に海星と弁天がいい。
矢三郎に辛辣な態度をとりながら、要所要所で矢三郎を助ける、なぜか姿を決して見せない海星。
人間でありながら天狗よりも天狗的であり、何を考えているのか分からない弁天。
どちらもいいキャラクターだ。

赤玉先生もいい。
矢三郎たち兄弟の師であり、弁天に天狗の術を教えた師でもある赤玉先生は、弁天と矢三郎の悪戯により腰を痛め、その天狗的能力をほとんど失っている。
それなのに高いプライドはますます高くなるばかりである。
いかにも森見的キャラクターだ。
ちなみに私は赤玉ポートワインというものを飲んだことがないのだが、この本を読んで飲んでみたくてたまらなくなってしまった。
コンビニに売っているだろうか。

しかしなんだ。
父親が鍋にされて食われたというのは人間だったら間違いなくホラーだが、狸だとそんなに悲壮感もない。
それは私が人間だからだろう。
しかし狸たちの阿呆さによるところも大きいだろう。
まあ、二男のエピソードに感じるところはあったが。
その分矢二郎が「捲土重来!」と叫ぶシーンはよかった。
名エピソードだ。
そして、実の兄を鍋の具材に提供した夷川早雲は悪辣非道の狸である。
海星とともに阿呆でない数少ない狸と言えよう。

そういえば、『夜は短し歩けよ乙女』で出てきた偽電気ブランは狸が作っていたのか。
となると寿老人は李白だろうか。
奇弁論部なども登場して他の物語とのつながりを感じさせてくれる。
嬉しい計らいだ。

さて、結局のところどうだったのかと言えば、もちろん、面白かった。
少し疲れていて、物語に入り込めなかったのが悔やまれる。
森見節も満載でいちいちにやりとさせてくれる。
現在続編が連載中のようだ。
弁天の涙の訳や、海星が姿を現さない理由も明らかになるのだろうか。
楽しみに待ちたい。
面白きことは良きことなり、だ。


評価:AA


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(2010/08/05)
森見 登美彦

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Edit / 2011.04.01 / Comment: 1 / TrackBack: 1 / PageTop↑
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Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
もう家に本を置く場所がありません。

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2008 11/13(木)開設

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