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正義のミカタ I'm a loser
カテゴリ: 本多孝好 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

「僕は違うかっこよさを目指します。あ、いや、そうじゃなくて、たぶん、かっこよくない何かを目指します。かっこいいのって、僕にはきっと似合わないから」


第百三回
本多孝好の『正義のミカタ I'm a loser』

本多孝好は長編より短編が面白いと思っていた。
今でもその考えは変わっていないが、この作品は長編にして、かなりレベルが高い。
『真夜中の五分前』ですこしがっかりしたが今作はすごくいい。
まあ、私が青春小説が好きだと言うのもあるだろうが。

主人公の蓮見亮太は筋金入りのいじめられっ子だった。
一念発起し大学に入学、晴れて憧れのキャンパスライフを満喫するはずだったのだが、何といじめの主犯の畠田まで同じ大学に入学していたのだ。
大学に入ってまでいじめられるのかと思ったその時、亮太を救ったのは、高校ボクシングのフェザー級でインターハイ三連覇を成し遂げ、今、飛鳥大学、「正義の味方研究部」に所属する男、トモイチだった。
そして亮太も正義の味方研究部に入部することになり、元いじめられっ子のプライドに賭けて事件に関わっていく。

いやあ面白かった。
今作の主人公、亮太は今までの本多作品の主人公達とは一線を画す。
どこか冷めていて、捻くれた、それでいて格好いい今までの主人公達。
一転、亮太は元いじめられっ子で、ダサくて、情けなくて、スケベだ。
その亮太が格好悪くたって頑張るその姿こそ格好いい。
まあ私は両方好きなのだが。

亮太の唯一の特技が相手の攻撃をよけることだ。
よけた後の攻撃もトモイチに教わって練習したが役に立つことはなかった。
いや、というかよけることもほとんど役に立っていない。
ヤンくんのパンチをかわしたくらいか。
最後の勝負では毛ほども役に立たない。
まあ、あれはそうすることに意味があったのだろうが。

正義の味方研究部の活躍は読んでいて小気味いいし、単純にスカッとする。
だがもちろんそれだけの話ではない。
少し怖くて、それでいて人を惹きつける間先輩という男。
彼との対決が中盤の山場となる。
亮太は彼に影響を受け、少なからず変わる。

そして最後の勝負へ繋がっていく訳だが。
そこにこの作品の唯一の欠点がある。
何というかあまりに唐突過ぎるのだ。
いや、あの時亮太の熱が冷めた理由は分かるし、その後の思考もわかる。
だがやはり唐突感はぬぐえない。
もっと以前から伏線を張っておくべきだったと思う。
間先輩の影響なども少なからずあるだろうが、それでもまだ足りない。
だから、なんでそうする必要がある、と思ってしまう。
亮太にとって譲れない一線なのだろう。
それは分かる。
分かるからこそもっとページを割いてほしかった。

とはいえ、最後の勝負自体は熱いものだった。
優姫先輩がガチンコする気満々なのが良かった。
ああいう自分が美人であることを自覚して、公言できてしまうキャラクターは好きだ。

まあとにかく、面白い小説であることは確かだ。
自信を持ってお勧めできる。
終わり方も余韻があっていい。
読後感も素晴らしい。
そしてなんといっても、格好悪い亮太が最高に格好いい。
ぜひみなさんにも読んでいただきたい。


評価:AA


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(2010/06/25)
本多 孝好

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Edit / 2011.03.04 / Comment: 2 / TrackBack: 0 / PageTop↑
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gaker

Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
もう家に本を置く場所がありません。

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2008 11/13(木)開設

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