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スロウハイツの神様
カテゴリ: 辻村深月 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

「幸せになったくらいで、書けなくなってたまるかっつーの!!」


第九十五回
辻村深月の『スロウハイツの神様』

人気作家チヨダ・コーキの小説が原因で殺し合いが起きて十年。
脚本家の赤羽環がオーナーを務めるアパート「スロウハイツ」ではコーキと環とその友人たちが暮らしていた。
友人たちもそれぞれ分野は違えどクリエイターの卵たちで、夢を語り合い、創作活動に励んでいた。
空き部屋だった201号室に新しい住人がやってくるまでは。

いやー、面白かった。
辻村深月は私に合うようだ。
三作読んで三作とも当たりだった。
『冷たい校舎の時は止まる』に続いて、謎解きもしてやった。
コーキの天使ちゃんの正体はかなり早い段階から予想がついていた。
天使ちゃんはクレバーな人間ではありえない。
根本的な部分で不器用な人間だ。
さらっと流されているが伏線もしっかり張られている。
例えば環が莉々亜の名前ではなく名字に反応していることとかだ。
環と桃花にハイツオブオズのケーキを挙げた人物も、これはあまり根拠のない直感だったが分かった。
そういえばコスプレして警官に追いかけられた話は作り話じゃなかったんだな
鼓動チカラの正体も早々と予想がついた。まあこれは候補者は一人しかいないだろう。

作家の出てくる小説が好きだ。
それもあって、非常に楽しく読めた。
まあ作家に限らず、物語を作る人の話が好きだ。
ジャンプの『バクマン』なんかも結構好き。
なぜだろう?
作家に対する憧れがあるからだろうか。

正義とスーには別れてほしくなかったな。
公輝と同じことを思った。

「僕はただ、あの二人に付き合っていて欲しかったです。自立とか、依存とかはどうでもいいから、正義とスーに仲良くしてて欲しかった。スーにここにいて欲しかったです。わがまま、ですけど」

そしてそれは狩野や環も思っていたことなのだ。

優しいだけの善人に見える狩野が意外な闇を抱えているのが好きだ。
結局狩野が「ダークウェル」の原作者、幹永舞ってことだよな。序盤にパソコンで作業していた締めきりの近い作品が「ダークウェル」だったんだろう。黒木と打ち合わせしていることからも間違いない。
この伏線は忘れてしまっていたな~。いかにも意味ありげだったのに。序盤のまだキャラクターが把握できていない時だからこそあれだけ堂々と伏線を張れたんだな。上手い。
原作者に原作を送り返す必要があるのかと思ったら、編集のチェック入りなわけだ。納得。
ところで、公輝が嘘をついたのはなぜだろう。
環の疑心暗鬼を解消させたかったからか。

となるとあとは、正義の「canとable」の発言の意味がよくわからない。
ニュアンスの違いっていうことだろうか。
と思って調べてみたらなるほど、そういうことか。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1146015071
上記のページに答えがある。
これを見破るのはなかなか難しい。

ずっと読み続けていたいと思える作品だった。
辛い出来事、悲しい出来事もたくさんある。
そもそもが残虐な事件から始まった物語だ。
だが物語全体を流れる優しく温かい雰囲気は何だろう。
それこそが「スロウハイツの神様」なのかもしれない。


評価:AAA


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Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
もう家に本を置く場所がありません。

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2008 11/13(木)開設

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