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ねこのばば
カテゴリ: 畠中恵 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

「ねえ一太郎さん。私はまだ、思い悩んでいるんですよ。選びたくない道しか目の前にないとき、人はどちらを向いて、足を踏み出すんだろうか……」


第九十三回
畠中恵の『ねこのばば』

江戸にある長崎屋の若だんな一太郎と若だんなを取り巻く妖達の物語。
『しゃばけ』シリーズ第三弾。
全五編の短編集だ。

「茶巾たまご」
珍しく調子のいい若だんな。
長崎屋の景気も良く、いいことずくめ。
いったい何が原因か?

明るく始まるが後味が非常に悪い。
なぜ殺してはいけないか。
これにちゃんと答えられる人は意外と少ないだろう。


「花かんざし」
妖の姿が見える迷子の於りん。
しかしあたりに親はおらず、家に帰ると殺されると於りんは言う。

一番好きな話。
宮部みゆきの『あかんべえ』しかり、時代小説に出てくる少女というのはなぜこうも愛らしいのか。
しかし内容はヘビーでまたも後味の悪い終わり方だ。
精神に病を抱えた人間の凶行。
罪に問えない罪。
現代でもよく聞く話だ。
答えの出る問題ではないのかもしれない。


「ねこのばば」
表題作。
猫又に頼まれ、寺に囚われた猫又になりかけた猫を助けに行った若だんな。
しかしそこには殴り殺された僧侶の死体があった。

三度後味が悪い。
それなのに全体を見るとそう感じないのは登場人物たちのコミカルさ故だろう。


「産土」
店の景気が悪くなり、払わなければいけない金ができると、どこからか金が現れる。
それはよくないことだと感じた佐助はその秘密を調べるのだが……。

ホラー調の話。
仁吉が出てこないから叙述トリックには早い段階で気づいた。
これまた後味の悪い話。

「たまやたまや」
若だんなの親友、栄吉の妹お春に縁談の話が来た。
しかしお春は若だんなに思いを寄せており乗り気ではない。
そこでなくした煙管を探してくれたら縁談を受けてもいいという。

五編の中で唯一後味の悪くない話だ。
しかし、少し切ない。
若だんなはお春のことを本当はどう思っていたのだろう。


全体的に後味の悪い作品が多いが、序盤は全てコミカルだ。
過保護な仁吉と佐吉や鳴家、屏風のぞきなどの妖達のおかげだろう。
また若だんなが名推理で謎を解き明かしていくのを読むのは爽快だ。
読みやすく、面白い。
そして最後は甘苦い。
いい小説だ。


評価:A+


ねこのばば (新潮文庫)ねこのばば (新潮文庫)
(2006/11)
畠中 恵

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Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
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2008 11/13(木)開設

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