スポンサーサイト
カテゴリ: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Edit / --.--.-- / Com: - / TrackBack: - / PageTop↑
小暮写眞館
カテゴリ: 宮部みゆき / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

彼女は英一に、嘘をついたことがなかった。いつも、どんなときでも正直だった。
――ちゃんと電話するから!
それが、最初で最後の嘘になった。



第七十四回
宮部みゆきの『小暮写眞館』

宮部みゆきを読むのは久しぶりだが、どことなく宮部みゆきっぽくない気がした。
特に根拠はないのだがそう感じた。

十分面白かったのだが前評判ほどではなかったとも思った。
そういえばハードカバーの小説を読むのは久しぶりだ。
基本的に文庫派なので。

さて内容だが、ひょんなことから主人公の花菱英一が心霊写真の真相究明をすることになり、友人や、懇意にしている不動産屋の協力をあおぎながら写真の謎を解き明かしていく物語だ。
持ち込まれる写真は合成であることもあればそうでないこともある。
それに、最初に心霊写真といったが、心霊という言葉ではくくれない。なぜなら生きている人間が写っていることもあるからだ。
作中では念写といわれていた。

全四話構成で第四話だけは写真は持ち込まれない。
というより心霊写真はこの物語の導入部分でしかないというべきか。
英一の内面も語られる。幼くして亡くなった妹の風子、その死に責任を感じていることなどだ。
親戚の前で英一が啖呵を切るシーンはスカッとした。

基本的に、登場人物たちは皆善意で動いている。
だからこそそこに差し込まれる悪意が映える。
風子の葬儀で英一の母親に投げつけられた言葉や、コゲパンに告白したサッカー部の奴や取り巻きの女子などだ。
そういうところを書くのが上手いのはさすが宮部みゆきだ。

それにしてもヒロインが意外だった。
おまえがヒロインかよって感じで。
最初に登場する女子高生でも良いし。
コゲパンでも良かったではないか。
そこをあえてあいつにするとは。
こんなヒロイン他にいないんじゃないかと思う。
でも、だからこそこの小説はこんなにも優しいのかもしれない。

基本的には穏やかでゆったりと物語は進んでいく。
だが時おり現われる不穏な空気(例えば風子のことなど)が現われる。
それでバランスが取れているようにも思う。

読後感も良い。
社長の言うとおり、あれは逃避ではなく出発なのだ。

走り出せ、花菱英一。
そうだ、走ろう。線路は続いているのだから。今はまだ見えないどこかに向かって走ろう。
そこにはきっと、春の花がいっぱいに咲いている。




評価:A+
久しぶりに書評を書いたが何だかしっくり来ない。
元々たいしたもんじゃないが、何だか書き散らかしただけって感じがする。



小暮写眞館 (100周年書き下ろし)小暮写眞館 (100周年書き下ろし)
(2010/05/14)
宮部 みゆき

商品詳細を見る


にほんブログ村 小説ブログ 小説読書感想へ
にほんブログ村

関連記事
スポンサーサイト
Edit / 2010.09.03 / Comment: 4 / TrackBack: 1 / PageTop↑
Comment
 
 
 
 
 
 
 
 


Pagetop↑
TrackBack
Pagetop↑
プロフィール

gaker

Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
もう家に本を置く場所がありません。

リンクもトラックバックも昔の記事へのコメントも全部大歓迎です。

2008 11/13(木)開設

評価基準
AAA:凄く凄い
AA:凄い
A:とても面白い
B:面白い
C:暇つぶしには
D:ん~、微妙
E:読み進めるのが苦痛
ランキング

にほんブログ村 小説ブログ 小説読書感想へ
クリックしていただけると嬉しいです。
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。