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ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
カテゴリ: 辻村深月 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

 お母さん。これは、ひどい。


第百七十回
辻村深月の『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』

女性が刺殺体で見つかり、その娘は失踪した。
失踪した娘、チエミの幼馴染、みずほはチエミの足取りを追う。
互いに歪んだ母娘関係を持つ、みずほとチエミ。
チエミはなぜ母を刺し、そしてなぜ逃げるのか。

いやはや、凄いな。
これは、けっこう圧倒されてしまった。
まず、女同士の友情の描写が無茶苦茶生々しい。
特に政美とかが印象深い。
率直で打算的で、でも、悪役というわけではない。

タイトルの意味も最初はわからなかったのだが、なるほど、そういう意味か。
ものすごく上手いというわけではないのだが、印象的ではあった。
でもこれは気付いてしかるべきだったかもしれない。
続きが気になってしまったので、あまり深く考える事をせずに読み進めてしまった。
チエミが逃げ続けている理由も、一切考えずに読み進め、仰天した。
後に深く納得した。
あ~、なるほど、みずほが赤ちゃんポストにこだわっていたのはそういうことだったのか。
違和感はあった。
何だか本筋とは関係ないな~とかぼんやり思っていたが、辻村深月がそんな関係ないことにページを割くわけがないのだ。
いや~、そうか、こうつながるのか。
このへんも、伏線は十分以上に張られていた。
大地の言動、それに対してのみずほのリアクション。
それにしても大地のクズっぷりったらないな。
すがすがしいまでにゲスい。

まあ大地の事は置いておいて。
こう繋がるのか~、と思った。
だがまだページがある、残っている。
『名前探しの放課後』のときと同じ感じ。
これはまだひっくり返るぞ、と直感した。
だが、どうひっくり返るのかは全く分からなかった。

みずほ視点で書かれた第一章の四分の一程度しかない第二章はチエミ視点で書かれている。
そしてついに事実が明かされる。
最初から何もなかった、というチエミの独白でまさか、と思った。
だが、翠が赤ちゃんポストのことに言及していたから、まさかね、と思ったのだが。
マジだった。
そんな、うわあ、これじゃあ救いがないではないか。
みずほはチエミを見つけたけど、約束の事を覚えていたけれど、でもこれは。

さすが辻村深月である。
ラストで思いっきり振り回してくれた。
『太陽の坐る場所』は、少し消化不良だったが、今作は良かった。
ジェットコースターのようなラスト。
チエミの最後の台詞は、本当に切ない。

とても良かったのだが、一つだけ気になる点がある。
翠とチエミの別れ際、なぜ翠は赤ちゃんポストのことに言及したのか。
いくらなんでもお腹が膨らんでいないことは一目瞭然だろう。
ここだけちょっと疑問だ。

そういえば、ドラマ化でもめているらしい。
脚本が原作と違いすぎて、辻村深月が拒否したようだ。
何でも、みずほが手紙を見つけるシーンがカットされていたとか。
そこめちゃくちゃ大事なシーンじゃないか。

そういえば辻村深月は、人気作家の割にメディアミックスの話を聞かないな。
『冷たい校舎の時は止まる』は確か漫画化されていたと思うが、他はあまり聞かない。
映像化したら面白そうに思うが。
アニメとかでもいけそうだ。
辻村深月の意向なのだろうか。


評価:A+


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Edit / 2012.06.24 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
Steins;Gate ドラマCD β 『無限遠点のアークライト』 ダイバージェンス1.130205%
カテゴリ: ゲーム / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

Steins;Gate ドラマCD β 『無限遠点のアークライト』 ダイバージェンス1.130205%
最後はβだ。
予想通りこれが一番重要というか、本編の内容に食いこんでいた。

これもジャケット通り、主人公はまゆりである。
本編はオカリン視点の物語のため、他の登場人物の内面は見えにくいのだが、そのなかでもまゆりは、オカリンの一番近くにいるにも関わらず、内面が読み取りづらいキャラクターである。
その内面は……、やっぱり切ないんだなあ。
まゆりは本当に何と言うか、健気で、自己犠牲的で、オカリンのことが大好きなんだなあと再認識。

舞台は本編最終章、「境界面上のシュタインズゲート」……、ではなく、そこへと至るβ世界線である。
言い方を変えれば、執念オカリンへと至る物語だともいえるだろう。
執念オカリンが、一年以内にタイムトラベル理論と向き合うことになる理由も明らかになっている。
そこは、後に執念オカリンとなるオカリンが、一度助手を自らの手で殺してしまった後、心が折れて、助手を救うことを諦めてしまった世界線である。
未来の自分からのDメールも(多分)受け取っていない。
そこでは、まゆりはオカリンを叱咤し、びんたすることもなく、もう頑張らなくていいと、未来の運命をオカリン一人が背負うことはないと、オカリンを支える。
一年後、表面上は立ち直り、ラボに寄り付かなくなり、鳳凰院凶真も止め、「普通」の大学生であろうと無理をしているのが見え見えなオカリンが痛々しい。
そんなオカリンを見たまゆりは、自分の彦星様を復活させるため、あの日の自分に想いを託すため、鈴羽と共にタイムマシンに乗る。

ああ、なるほど、これがあのまゆりのびんたに繋がったのか。
でも個人的には未来の自分の言葉がなくてもまゆりはびんたしていたのじゃないかと思わなくもない。
勘のいい子だし、ひょっとしたらα世界線の記憶がわずかながら無意識の部分にあるかもしれないし、今オカリンが諦めようとしていることが、決して諦めてはいけないことだと気付いたっておかしくはないと思う。
ただ、シュタインズゲート到達へのキーは、そのびんたではなく、まゆりが消えてしまったという事実、執念オカリンを生み出すための最後のピースなんだよな、多分。
そう考えると少し悲しくはある。
それにしても執念オカリンの味わったものは、もう絶望としか言いようがないだろうな。
助手を助けられるかもしれないと希望を与えられ、しかし自らの手で刺し殺すという絶望を味わい、そして、最愛の人の犠牲の上にやっと助けることができた大切な幼馴染まで世界から消えてしまう。
あのラストからまさか元の時間軸に戻れるとは思えないしなあ。
切ない。
それだけに、本当にダーリンのまゆりルートの良さが改めて分かった。

まあ突っ込みどころもある。
タイムマシンの燃料の件とか。
タイムマシンは同一座標にしか飛べないはずだから、タイムマシンが存在する時間に飛ぶと……なとことか。
何故最後鈴羽は律義に一年後に戻ろうとしたのかとか。
明らかに燃料は足りないってわかってたんだから、飛べる範囲に飛べよと。
後ダルの声の調子が明らかに変わってるのが気になった。
γの時は、世界線変動の影響でキャラが変わったのかと思ったが、βでも変わっていた。
αでは多分登場していないはず。
何と言うかステレオタイプなオタクの声って感じになっていた。
ひょっとしてドラマCDはそういうふうに演技したのかな。
だーりんではそんなことはなかったが。
あ、でも若干の違和感はあったかも。
アニメは見ていないのだがどうなのだろうか。

とはいえ、まゆりの心情が丁寧に描かれていて、そこはすごく良かった。
ドラマCD3作の中では一番楽しめた。


評価:A


STEINS;GATE ドラマCD β「無限遠点のアークライト」ダイバージェンス1.130205%STEINS;GATE ドラマCD β「無限遠点のアークライト」ダイバージェンス1.130205%
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Edit / 2012.06.21 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
Steins;Gate ドラマCD α 『哀心迷図のバベル』 ダイバージェンス0.571046%
カテゴリ: ゲーム / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

Steins;Gate ドラマCD α 『哀心迷図のバベル』 ダイバージェンス0.571046%
γの次はαにした。
βとどっちか迷ったが、βの方が何か重要っぽいので。

今作は本編の助手ルート、因果律のメルトを助手の視点から描いたものとなる。
強がっていた助手は、自分の存在が消えてしまうという事実を前に果たして本当はどう思っていたのか。
そして、空港へと向かったはずの助手がラボに戻ってくるまでに何があったのか。
そこら辺を補完した内容となっている。

ジャケットを見て分かる通り、フェイリスと助手が主な登場人物である。
この二人はそう言えば、本編の中では絡みがないな。
フェイリスは基本ラボには来ないし、助手がメイクイーンに行くこともない。
フェイリスがDメールを送った時も、助手はラボで待機していたし。
しかし絡んでみたら意外としっくりくる二人だ。
相性良さそう。

父親同士が親友という意外な点も明らかになった。
しかしそこに鈴羽まで絡んでくるとはびっくりさせられた。
ドクター中鉢のタイムマシン研究に鈴羽が一枚かんでいたとは。
まあこれは後付け設定なのだろうが、ちょっと違和感がある。
鈴羽がそんなことするかな~と。
ただ、少し疑問だった「何故鈴羽はフェイリスパパにIBN5100を託したのか」という点はこれで少し補強されるか。
面識があったのならまあ頷けないこともない。
若い頃の中鉢が中二病なのはちょっと笑った。
助手はファザコンだなあ。

中鉢が唯一ゲスくないとこを見せるシーンもある。
でも結局はあれだしなあ。
とってつけた感は否めない。

それと、最後の助手が、きっと岡部ならまゆりも私も死なない結末にしてくれるっていうのはさすがにどうかと。
いくらなんでもあの時点で助手がそこまで考えが至るとは思えないのだが。
この辺も後付けでねじ込んだくさいな。

とまあ、とってつけた感が気になったのであまり評価は高くない。
でも、冷静そうに見えた(実際は結構ボロは出てたが)助手が、自暴自棄になったりしてる所が見れたのは良かった。


評価:B+


STEINS;GATE ドラマCD α「哀心迷図のバベル」ダイバージェンス0.571046%STEINS;GATE ドラマCD α「哀心迷図のバベル」ダイバージェンス0.571046%
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Edit / 2012.06.19 / Comment: 4 / TrackBack: 0 / PageTop↑
Steins;Gate ドラマCD γ 『暗黒次元のハイド』 ダイバージェンス2.615074%
カテゴリ: ゲーム / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

Steins;Gate ドラマCD γ 『暗黒次元のハイド』 ダイバージェンス2.615074%
ついにドラマCDにまで手を出した。

α、β、γともに買ってまずはγから聞いた。
ダイバージェンスは2%台。
タイトル通りγ世界線の話である。

時系列的にはルカ子の性別を戻すDメールを送った直後にあたる。
そのDメールによる過去改編が上手くいかず、未来からのメッセージを受け取ったルカ子の母親が、SERNの研究者に相談をしたことが起点となって、バタフライエフェクトが起こり、2000年問題が起こってしまった(2000年問題を引き起こしたのもSERNであるようだ)世界線である。
まあ、パラレルワールドだ。
シュタゲの世界の構造上、パラレルワールドというものは本来存在しないのだが、まあだーりんもそうだし、そこは言いっこなしなのだろう。
突っ込みどころと言えば、ポケベルに受信したメッセージの送信日時なんか表示されるのだろうかという疑問がある。
まあこれも言いっこなしか。

そこでは、2000年問題の結果、オカリンとまゆりの両親が死んでしまい、なんとオカリンがラウンダーM3となっている。
多分、再会したまゆりの治療費などを捻出するためにラウンダーになったのであろうが、この世界線のオカリンの記憶は例によって存在しないため詳しいことは分からない。
っていうかそう、まゆりである。
γ世界線においてもまゆりの運命は明るくないのだ。
何と、何らかの病気で余命いくばくもない状態なのだ。
どこまで悲劇的なのだこの子は。

世界が全く違うものに変わってしまっているという点では、本編のフェイリスEDと似ている。
ただこの世界にもラボは存在し、Dメールを送ることができるという点は異なる。
そこで再びDメールを送り元の世界線に戻るのが目標となる。
ここではオカリンはラウンダーである。
ということは、本編においては常に頼れる味方であった鈴羽が敵に回るということである。
これはちょっと何とも言えんものがあるな。
助手も味方とは言えないし、ラウンダーを裏切るので他のラウンダーも敵。
周りはみんな敵だらけである。
唯一萌郁だけが味方なのだが、これはオカリンの心情的には受け入れられないことだ。
本編で萌郁を「赦す」前の段階だから、オカリンにとって萌郁は憎むべき敵なのだ。
それでもしょうがないので萌郁の手を借りてラボを強襲、強引にDメールを送る作戦に出る。
皮肉にもオカリンがラボを強襲することになるとはな~。
結果紆余曲折あったがDメールの送信には成功し、世界線は変わった。
だが、この変わった後の世界がな~、なんというか「どこ」なのかがわからないのが不気味ではある。
ラボメンで海? に遊びに来ているようなのだが、SERNとかどうなっているのか。
いったいどこのアトラクタフィールドなのか。
ルカ子の母親に送ったDメールの内容も不明だし。

ちなみに、この世界線の2036年においてオカリンは、鳳凰院凶真としてラウンダーの中で上りつめ、なんと300人委員会の一人として世界に君臨しているらしい。
オカリンの潜在能力は本当に多岐にわたって突き抜けている。
あと一つ疑問なのが、なんでこの世界線のオカリンはラボなんて作ったんだろうか。
中二病でもないのに。
ダルのキャラが変わってて、めちゃくちゃきょどりまくってたのはちょっと笑った。

萌郁があまり好きじゃないので、評価はそれほどでもない感じ。
まあだから先にγから聞いたのだが。
残るαとβは、どうも本編を補完するような内容であるっぽい。
楽しみである。


評価:B


STEINS;GATE ドラマCD γ「暗黒次元のハイド」ダイバージェンス2.615074%STEINS;GATE ドラマCD γ「暗黒次元のハイド」ダイバージェンス2.615074%
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Edit / 2012.06.17 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
ラブソングが歌えない
カテゴリ: 喜多嶋隆 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

第百六十九回
喜多嶋隆の『ラブソングが歌えない』

プロのミュージシャンを目指す僕、水町涼は将来を期待されるピアニスト、悠子に出会った。
次第に心を通わせる二人。
だが、二人の恋路にやがて暗雲が立ち込める。

タイトルと表紙が気に入って買ったものである。
こういう、ちょっと詩的な口語調のタイトルは結構好きなのだ。
そして、人生のほろ苦さと青春のきらめきを描くと謳っている。
結構期待していたのだ。
しかし見事に裏切られた。

色々と不満点はあるのだが、まず、凄くくさい。
タイトルが詩的なのはいいのだが、本文も詩的だ。
しかも詩的過ぎる。
読んでる方が恥ずかしいというか、失笑ものというか、そう言う文が散見される。
特に主人公の作詞した歌詞なんかもう直視できない。
センスなさすぎるだろうこれは。
しかもこれが評価されるのだ。
ひー。

次に、人物の薄っぺらさだ。
主人公とヒロイン以外の人物に存在価値が感じられない。
何というか記号としてしか存在していないというか。
こういう立場の人間が必要だから登場しましたと言うだけで、中身が全くないのだ。
例えば主人公はバンド仲間を、軽薄な気持で音楽をやっている訳ではない仲間として信頼しているらしい。
しかしその裏付けが全くない。
確か、主人公とヒロインが一発かました後、そのことで主人公をからかうみたいなシーンがあって、そこにヒロインが現れたから、バンド仲間は空気読んでその話題を止めて、それでこいつらとはうまくやっていけると確信したみたいな、ってあほかーい。
そんなもん誰でもそうする。
そんなことで強い信頼を感じられても何の説得力もない。

あと、ヒロの存在意義が全く分からない。
主人公との関係は、恋愛感情なしのセックスをする仲だ。
ようはセフレである。
なんか凄いサーファーらしいです。
そう言う肩書を持った相手と快楽だけのセックスをする主人公がかっこいいということを言いたいために存在しているように感じた。
しかも恋愛感情とは別とか言ってたのに、ヒロインが現れたらヒロとはバイバイである。
何かこの辺も主義が一貫していないというか。
フェードアウトした後何のフォローもないし。

じゃあ主人公とヒロインはしっかり掘り下げられているかというとそんなことはなく、しっかりと薄っぺらいのである。
(ありがちな)孤独な過去を背負った主人公は、同年代のくだらない奴らとは違う、らしいが、周りを見下し、自分が特別だと感じることこそ、その年代にありがちな普通の奴である。
そういう若さを描いているのかもと思ったが、作者的にも主人公は特別な奴で、くだらない凡夫どもとは一線を画しているという設定らしい。
ひえー、寒い寒い。

ヒロインについては、ずっとピアノにだけ打ち込んできた天才少女が、ピアノ以外の人生に目を向けると言う感じなのだが、まあ、ありがちではある。
それだけにどう料理するかが問われると思うのだが、これがひどい。
これは作中を通して言えることだが、クラシックが悪いという訳じゃないと口では言っていても、明らかにクラシックをディスっている。
何かを持ちあげるために、他の何かをディスるというのは下の下だろう。
作者はクラシックに何かコンプレックスでもあるのだろうか。

そして、クラシックに戻るか主人公達とのバンドを続けるかで迷うヒロインに主人公は悩んだ末(この悩み方も実に薄っぺらい)クラシックに戻るように言う。
音楽と心中するとか言ってたのに……。
と思ったらやっぱ連れ戻したくなってニューヨークへ。
ええ~。
この辺の葛藤とかも全く書かれていないので、主人公が自分勝手で情緒不安定にしか見えない。
そこら辺は若さ故かとも思ったが、本人がそういう若さを否定してるからな~。
そして(多分ドラマチックにするために)凍死寸前になるまでヒロインを探した主人公は、都合のいいタイミングで、自分とヒロインが作った曲がピアノで弾かれているのを聞く。
そして再会して、バンドも大成功、めでたしめでたしである。

本当に何もかもが薄っぺらい。
デビュー作とかかとも思ったが、結構キャリアがあるっぽい。
本当にプロの仕事かこれ。

あと、夢に敗れた人の人生は失敗じゃないということを描きたかったらしいのだが、むしろ逆の印象を受けた。
夢を諦めて普通の幸せを選んだ人間をディスりまくってないか?

まあとにかく大外れだった。
喜多嶋隆は、二度と買わないリストに入りました。


評価:E


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Edit / 2012.06.08 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
理由あって冬に出る
カテゴリ: 似鳥鶏 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

第百六十八回
似鳥鶏の『理由あって冬に出る』

芸術棟にフルートを吹く幽霊が出るらしい。
それを確かめることになった、僕――葉山君は夜の芸術棟へと出向いたのだが、幽霊は実際に「出て」しまった。
好奇心あふれる伊神先輩と共に謎の解明に挑むこととなった僕。
しかし、不思議な出来事は次々に起こり……。

青春ミステリの部類に入ると思う。
とはいえ、大きな事件が起きる訳ではない。
謎解きも特別目新しいものでもない。
だがしかし、とても雰囲気がいい。
お人よしの僕と、強引な伊神さんはいいコンビだし、他の登場人物たちもいい味を出している。
演劇部長の柳瀬さんとかいいキャラだ。

凄い、青春感がある。
それは、いいことばかりじゃなく、苦い部分も描かれている辺りからも感じられる。
東さんとか、豊中さんとか。

そしてオチが凄く好きだ。
この幽霊なんていなかったと思ったら実は……というパターンは、使い古されているけれど、個人的にはとても好みである。

気になる点として、表紙の女の子は誰かという点だ。
男の方は葉山君だろうが、女の子の方が誰かははっきりとはわからない。
特にヒロインがいる作品ではないからだ。
しかし、まあ、妥当な点で言えば、柳瀬さんかなあ。
葉山君のこと好きっぽいし。
そう言えば葉山君のフルネームは出てきただろうか。
記憶にはないが。
いや、他の人たちも名字だけの人が多い気がする。

これと言って特筆する所がある訳ではないけど、読んでいて退屈はしない。
何となく面白い、そんな感じの作品だ。


評価:B


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Edit / 2012.06.07 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
プロフィール

gaker

Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
もう家に本を置く場所がありません。

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2008 11/13(木)開設

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B:面白い
C:暇つぶしには
D:ん~、微妙
E:読み進めるのが苦痛
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