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新釈 走れメロス 他四篇
カテゴリ: 森見登美彦 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

「俺の親友が、そう簡単に約束を守ると思うなよ」


第百三十三回
森見登美彦の『新釈 走れメロス 他四篇』

誰もが知っている名作を森見流に仕上げた短編集である。
そしてそうである以上、主人公は京都の腐れ大学生達である。

全て馬鹿馬鹿しいコメディータッチの作品かと思いきや、表題作以外はそうでもない。
真面目だったり、切なかったり、不気味だったり、だ。
中でも「山月記」と「桜の森の満開の下」は書くことの悲哀を少し扱っていたりする。
作者自身の考えも含まれているのだろうか。

しかしやはり、馬鹿馬鹿しくてこそ森見登美彦だろうと私は思う。
なので、表題作の「走れメロス」を中心に見ていく。

芽野史郎は、不条理に部室を奪われた詭弁論部を救うため、図書館警察長官に立ち向かった。
長官が詭弁論部に部室を返すために出した条件とは、学園祭のフィナーレでブリーフ一丁で踊ることだった。
しかし芽野は、姉の結婚式に出なければならないといい、身代りに親友の芹名を置いていく。
その友情に感激した長官だが、芹名の一言で全てが覆る。

「あいつに姉はいないよ」

芽野は約束を守る気などさらさらなかったのだ。
こうして芽野の一大逃走劇が始まった。

何とも馬鹿馬鹿しいではないか。
芽野と芹名の出会いであるパンツ番長事件や、芽野が逃げ切り、人質となった芹名が代わりにブリーフで踊るという結末をこそ、「真の友情」と信じ、逃げ続ける芽野と、悠然とその時を待つ芹名。
これぞ森見登美彦という馬鹿馬鹿しさだ。

しかし、女に弱いのが腐れ大学生である。
数々のピンチを乗り越え、走り続けた芽野だが、懸賞金に目がくらんだ、可憐な乙女にだまされ絶体絶命の窮地に立たされる。
そして、そこを元詭弁論部の須磨さんに助けられるのだ。
まあやはりというかなんというか、大方の予想通り須磨さんも敵であった。

ラストも原作の流れを踏まえつつ馬鹿馬鹿しく仕立て上げられている。

「走れメロス」意外は、さほど馬鹿馬鹿しくはなかったが、「山月記」、「桜の森の満開の下」辺りは結構好きである。
物書きを題材とした話が好きだからだろう。
他二つを悪くなかった。
だがやはり「走れメロス」が一番面白かった。


評価:A+


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Edit / 2011.07.29 / Comment: 6 / TrackBack: 0 / PageTop↑
美女と竹林
カテゴリ: 森見登美彦 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

第百三十二回
森見登美彦の『美女と竹林』

小説ではなくエッセイ、になるのだろうか。
大層くだらなく、そして面白い。
彼の書く小説と大体似た感じで楽しめる。
というか、書かれていることは果たしてすべてが事実なのだろうか。
作者の妄想ではないのか。
そう疑いたくなるほど愉快な本だ。

荒れ果てた竹林を手入れすると言うのが本筋なのだが、あまり手入れはしない。
仕事が忙しかったり、その他もろもろの事情により、だ。
そしてタイトルに入っている美女もなかなか登場しない。
というか登場しない。
最後に落ちとして半ば無理やり登場するのみだ。

基本は登美彦氏が締め切り次郎に追われたり、竹林の手入れを行えないことを悔やんだり、なんだかぐだぐだしたりしている。
本当にぐだぐだしている。
正直あまり中身がないのと、読んでから半月近く経ってしまったので、感想も書きづらいのだが、面白いのは面白い。

最初は小説だと思って読み始めたのだが、エッセイでもあまり作風は変わらなかった。
やはり各作品の主人公達は作者の分身である面が多分にあるのだろう。
それと、森見登美彦が兼業作家であることをこれを読んで初めて知った。
彼レベルになれば作家一本でも食べていけるだろうに。
今現在でもそうなのかは分からないが意外だった。

まあなにはともあれ面白い本であった。


評価:A


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Edit / 2011.07.26 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
図書館革命
カテゴリ: 有川浩 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

「大丈夫だ。お前はやれる」


第百三十一回
有川浩の『図書館革命』

突如発生した原発テロに、著作の内容が酷似しているとして、人気作家当麻蔵人の身柄を確保しようと良化隊が動く。
当麻を守るため、ジリ貧の図書隊は策を練る。
そして郁の発した思い付きから一発逆転の秘策を打つ。
しかし、その作戦中に堂上が被弾、重傷を負う。
堂上に任務を託された郁は当麻と共に西へ向かう。
郁は当麻を守りきれるのか。
そして恋の行方は一体どうなる!?

とうとう本編最終巻である。
色々とクライマックスだ。

前巻までは大物面をして、下手したら最後に立ちふさがるのではないかとすら思わせていた手塚慧が、あっさり柴崎に言い負かされてしまったのは少し拍子抜けだった。
というか柴崎が凄すぎるのか。

「飛びつくに決まってるわ、もちろん。歴史にあたしの名前が残るのよ、立場を代われるものなら代わりたいくらいだわ」

しかしその後はしっかり活躍して見せるのだから、手塚慧の手腕は確かなのだろう。
とはいえ完全に噛ませ犬となってしまったので、物語の本筋に絡んでくることはない。

柴崎といえば、手塚(弟)との関係がこの巻で大きく変化した。
そういう匂いはぷんぷんしていたけれど、やっぱりか。
いきなりの暴挙であったが、手塚も男だ、やられっぱなしではない。

「担保が足りない」

この時、体を固くする柴崎が、普通の女の子みたいでいい。
しかしその後、はっきりしない関係のまま終わってしまい、非常に二人の関係のその後が気になる。
正直、先の見えている郁と堂上より気になりながら読んでいた。
まあ柴崎と手塚も見えていると言えば見えているのだが。

さあ主人公の郁の恋にもとうとう決着がつく。
無理矢理唇を奪うのは、柴崎と一緒だ。
だがこっちのカップルはやや男の方が強い。
しかし相変わらず甘い。
そして今巻では堂上が積極的だ。
というより取り繕わなくなったと言うべきか。
自分の気持ちとどこかでしっかり向き合ったのだろう。
郁より先に覚悟ができている。
おかげでちょっとしたやり取りにニヤニヤしてしまう。
そして告白のシーンは、いや~、もうたまらんね。
この期に及んで堂上の気持ちに気付いていない郁の鈍さとか。
バカな子ほどかわいいってのは本当だ。

さて、本編も、表現の自由をめぐる戦いに、明るい未来が見えてきたところでとうとう終了だ。
郁と堂上の恋人期間や、柴崎と手塚の関係などまだまだみたい所が山積みなわけだが、そこら辺は外伝でカバーされるのだろうか。
特に柴崎と手塚。
気になるところだ。

巻末のショートストーリーは柴崎と手塚の話だ。
いや~、ちょっとたまらんな。
完全に柴崎に手玉に取られている手塚が微笑ましい。
そして酔っぱらった柴崎は何ともいえずカワイイただのオンナのコだ。
そして確信犯のキスマーク。
この二人いいな~。
最後までニヤニヤさせてくれた。

まだ外伝が残っているが、本編はここで幕。
ジェットコースターのように進む話にのめり込むように読んだ。
電車を乗り過ごしたのは久しぶりだ。
いや~、熱くもあり、ニヤニヤもさせてくれるいい作品だった。


評価:AAA


図書館革命 図書館戦争シリーズ4 (角川文庫)図書館革命 図書館戦争シリーズ4 (角川文庫)
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Edit / 2011.07.03 / Comment: 2 / TrackBack: 0 / PageTop↑
プロフィール

gaker

Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
もう家に本を置く場所がありません。

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2008 11/13(木)開設

評価基準
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D:ん~、微妙
E:読み進めるのが苦痛
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