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図書館危機
カテゴリ: 有川浩 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

 私は業が深かったが、多くの理解者をもまた得たのだね。


第百二十二回
有川浩の『図書館危機』

ついに王子様の正体を知ってしまった郁。
そんな中、郁たち初の昇任試験がやってくる。
また、とある新進気鋭の人気俳優のインタビューが、玄田のもくろみで世間を騒がす事態になった。
さらに、自由をテーマとした過激な絵画が、茨城県の美術展で最優秀作品となりその警備に郁たち特殊部隊も赴くことに。
しかし訪れた茨城県立図書館は色々と歪んでいた。

さて、前巻のラストでとうとう、憧れの王子様の正体を知ってしまった郁だが、案の定、動揺しまくりだ。
そのことが書かれた手塚慧からの手紙を堂上に読まれそうになって、大外刈りで上司の堂上を昏倒させるほどだ。
馬鹿だ。
だが馬鹿な子ほど可愛い。

毬江に痴漢行為をはたらいた男に対する小牧の追及は冷徹で容赦なく怒りを込めたものだった。

「死ねばいいよ、お前」

この辺り小牧がどれだけ毬江を大切に思っているかが分かる。

しかし巻を増すごとにニヤニヤ度が上がっていく。
本当あちらこちらで郁と堂上はいちゃいちゃして困る。
電車で真顔を保つのに苦労するではないか。
ベタ甘の威力は増すばかりだ。

一方、熱い展開も多々ある。
玄田が体を張ってサブマシンガンの銃弾から最優秀作品「自由」を守り抜いたところ。
そして稲嶺勇退のシーンだ。

「稲峯関東図書基地司令に敬礼――――ッ!」

こういうの好きなのだ。
胸が熱くなる。

また郁はとうとう自分の恋心を自覚する。

「ごめん、柴崎。あたし、やっぱり堂上教官のことが好き」

それに対する柴崎の返事もまたいいのだ。

「大丈夫よーぅ、あんたが堂上教官のこと好きなんてずーっと前から知ってたから」

堂上が自分をどう思っているかを柴崎に聞く郁に対しての返事も柴崎らしくて好きだ。

「あたしに聞いたら推測じゃなくて解でしょうが。相手の言動一つ一つで舞い上がったり不安になったり、しっかり翻弄されといで。それが乙女ゴコロの心意気ってもんでしょうが」

まさしくその通りだ。
それでこその恋心だ。

三巻目にしてこの甘さ。
これでは本編最終巻となる『図書館革命』ではどうなってしまうのか。
そして革命というからには何かが大きく変わるのだろう。
それも含めて楽しみだ。
あー、早く続きが読みたい。


評価:AA+


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Edit / 2011.05.31 / Comment: 4 / TrackBack: 0 / PageTop↑
図書館内乱
カテゴリ: 有川浩 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

「別に俺たちがいるからってわざわざいがみ合わんでいいぞ」


第百二十一回
有川浩の『図書館内乱』

郁の図書館勤務に反対している両親がとうとう郁の仕事ぶりを見にやってきた。
しかも郁は自分が戦闘職についていることを両親に言っていない。
このピンチを郁は乗り切ることができるのか。

上記のエピソードのほか複数エピソードが収録されている。

いやあ、ついにラブがコメり出しましたよ。
堂上はあれだ。
郁の頭をポンと叩いたり撫でたり、タッチが多い。
その辺読んでてにやついてしまう。

小牧のエピソードがいい。
正論をぶって恥じないキャラというのはあんまり好きではないのだが、小牧の場合は理由があるから許せる。
むしろいい。

 あの子が自由に本を楽しむ権利も感性も誰にも否定させるものか。

毬江にとっての正義の味方でいられたらそれ以外はどうでもいいという小牧の考えは、格好いい。
男前じゃないか。
ロリコンだが。
しかし有川浩は年の差カップルが好きだな。
私も好きだから構わないが。

柴崎のエピソード。
自分が有能であることや、美人であることを誇って恥じないキャラは好きだ。
常に冷徹であろうとして時々、そうはできない脇の甘さもいい。
この辺り小牧は鉄壁だが。
うん、柴崎はいい脇役だ。
かなり好きなキャラクター。
手塚とくっついたりするだろうか。

郁が査問会にかけられるエピソードはかなりのニヤニヤものだ。
査問会後の郁と堂上のやり取りとか、それが録音されてたことを知った時の郁の反応とか。
きわめつけは、とうとう王子様の正体が堂上であることを郁が知った時だ。
今までのやり取りを思い出してテンパリまくりの郁が可愛い。

巻末のショートストーリーは小牧と毬江の話。
小牧の愛情表現は迂遠でキザったらしいな。
でもこの二人のやり取りは微笑ましくて好きだ。

物語も大きく動き出した。
何よりあんなところで切られたら続きが気になって仕方ないではないか。
続巻の『図書館危機』ももう買ってある。
読むのが楽しみだ。


評価:AA


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Edit / 2011.05.29 / Comment: 2 / TrackBack: 0 / PageTop↑
阪急電車 片道15分の奇跡
カテゴリ: 映画 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

映画感想第一回
『阪急電車 片道15分の奇跡』

原作があまりに面白すぎてうっかり久しぶりに映画館に足を運んだ。
そして予想通りにがっかりした。
まあ仕方ないか。
原作を超える映画なんて見たことないし。

征志とユキのエピソードがカットされてたのも残念。
まあカットするならここだって言うのは分かるけど。
エンディングの「生」の文字も原作読んでない人は分からないだろうに。
原作では最初と最後を締めるエピソードなんだけどな~。

物語は基本的に原作通りで、時江、翔子、ミサの三人を軸にまわっていく。
それプラスゴンちゃんと圭一という感じか。

ミサはもっと派手なイメージだったんだが戸田恵梨香か~。
普通路線じゃないか。
豹柄着てたくらいで。

そして翔子から婚約者を寝とった女だが、あんな美人では駄目だろう。
あれ、安めぐみだよな多分。
あれじゃあ、私の方が絶対綺麗とは言えないではないか。
もう好みの問題だ。
もっと地味な子をキャスティングすべきだっただろう。

逆にゴンちゃんはもっと可愛くてよかったと思う。
この二人の感情表現をCGを使って漫画的に表現したのは映画の限界か。
まあ実際は他人から見てもわかるくらいの赤面なんてなかなかないしな~。
あんな風にするしかなかったのかも。
でもあれではニヤニヤできない。
むしろなんかこっぱずかしい。

圭一はあんなにパンクなのか。
髪の毛は長めのちょいイケメンだと思っていた。
パンクな服装という描写はあったけどあそこまでとは。
まあこの二人は微笑ましくはあった。

総じて凡作の域を出ない、というのが私の評価だ。
原作が面白かっただけにギャップも激しかった。
原作を読まずに見たら楽しめるのかもしれない。


評価:C



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Edit / 2011.05.24 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
図書館戦争
カテゴリ: 有川浩 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。


第百二十回
有川浩の『図書館戦争』
作者の代表作と言えるシリーズの一作目。

舞台は日本のパラレルワールド。
公序良俗を乱す表現を取り締まるメディア良化法のいきすぎた検閲に対抗するための組織、図書隊に高校時代に巡り合った「王子様」を追い求め入隊した笠原郁。
身体能力は高いが、座学はさっぱりな郁だが、何とエリート部隊、図書特殊部隊<ライブラリー・タスクフォース>に配属される。
嫌な同期に、郁にだけ厳しい上司。
そんな環境で郁は愚直に頑張るのだが……。

文庫化をずっと待っていた。
シリーズものの第一作だけあって、まだ導入部という感じだった。
この世界の設定や、登場人物たちの紹介にページを割きつつ、といったところか。
しかし全員キャラが立っている。
怒れるチビ、堂上と笑う正論、小牧のコンビは『海の底』の夏木、冬原を思い出させる。
二人が成長したらこんな感じか。
冬原と小牧はちょっと毛色が違うか。
しかしこういうコンビが好きなのだろう。
手塚は途中でキャラが変わりすぎだ(笑)
玄田、稲嶺あたりのおっさん連中も味があっていい
郁の友人、柴崎もいいキャラだ。

郁の王子様の正体はまあ大方の予想通りだ。
にしても全く顔を覚えてないとは郁も凄い。
というかあんまりだ。
いくらなんでも少し無理がある。

さて、無茶な検閲がまかり通ってしまう架空の日本を舞台としている訳だが、みなさんご存知の通り、東京都で件の条例が可決されてしまったのは記憶に新しい。
笑いごとではなくなってきているのかもしれない。

巻末のショートストーリーがとてもよかった。
何だこれ超甘酸っぺえ。

本編ではまだラブがコメり出していないので今後に期待。
だが種はまかれている感じはある。
相当甘いという話は聞いているので楽しみに続巻を待とう。


評価:A


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Edit / 2011.05.11 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
阪急電車
カテゴリ: 有川浩 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

あーもう、そんな顔もかわいいとか思っちゃう俺がビョーキだよ。


第百十九回
有川浩の『阪急電車』
現在映画化され、上映中である。

片道わずか15分のローカル線、阪急今津線。
そこに乗り合わせた人々の縁が少しずつ絡まりあい、出会いのきっかけや、別れの兆しとなって現れる。
そんな数々のドラマを乗せて、今日も電車は走っていく。

いやあこれは面白かった。
ほっこり胸キュンの謳い文句は伊達じゃない。
時に胸が温かくなり、時に冷や水を浴びせられた様な気分になり、時にニヤニヤが止まらなくなる。
また、学生時代まで阪急電車ユーザーだったこともあり、懐かしい気持ちになった。
もっとも今津線に乗ったことはないが。
今回帰省していたので、阪急電車に乗りながら『阪急電車』を読むと言う贅沢を味わえた。

まず最初のエピソードが良い。
実に心温まる。
征志と、彼が良く利用する図書館で見かける女性との出会いの話だ。
何と言っても締め方が良い。
この後どうなるのか気になってしまう所でおしまいだ。
そして有川浩はその気になる気持ちをけしてほうっておかない。
きちんとその後のフォローも入るのだ。
それが蛇足にならないのはさすがだ。

そのほっこりするエピソードの後にあれを持ってくるとは。
前のエピソードとのあまりの温度差にぎょっとしてしまう。
また締め方が切なくて切なくて。
しかし、有川浩は登場人物を不幸なままにはしない。
その後のエピソードでしっかりきっちりフォローが入る。
ただこのエピソードだけ見ると翔子はあまりにも強く切ない。

このような感じで各エピソードの登場人物の人生が少しだけ交差しながら物語は進んでいく。
その中でも私の一番の気に入りのエピソードは、圭一とゴンちゃんのエピソードだ。
この二人の微笑ましさ、特にゴンちゃんの可愛らしさはただ事ではない。
圭一が今まで彼女いなかったのに女慣れしている所が気にならないではないが、全体を通してニヤニヤしてしまう。
有川浩の本領発揮といったところか。

宝塚から西宮北口までの駅名が各章のタイトルになっており、折り返して、後半は西宮北口から宝塚までの駅名がタイトルとなっている。
そして折り返し後は半年後の物語となっている。

半年経っているのだから、前半で恋が始まった人たちは当然それなりに進展しているし、別れを決意した人は別れを済ませている。

折り返し後は、女子高生、悦子のエピソードも良かった。
受験生という不安定な時期、教師に心無い言葉を投げつけられ自棄になっていた悦子をバカだけと優しい彼氏が包み込む。
本当、バカだけど良い男だな、この彼氏は。

そしてゴンちゃんと圭一である。
もう前半に増してゴンちゃんがかわいらしい。
圭一は圭一で微笑ましいし、もうたまらん。

そして物語は征志に始まり征志に終わる。
この征志とユキのカップルも良い。
なかなか隙を見せない酒豪のユキが良い味出している。

本当に面白かった。
ちょっと非の打ち所がない。
強いて言えば、後半の小学生達のエピソードも掘り下げて欲しかったかな。
だが完成度が非常に高く、読み終わった後優しい気持ちになれる小説だ。
これは大傑作。

映画が見たくなってしまった。
これは数年ぶりに映画館に足を運ぶか。
まあ見たらがっかりしそうな気がしないでもないが。
ゴンちゃんのエピソード削られてたら泣く。


評価:AAA


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Edit / 2011.05.07 / Comment: 0 / TrackBack: 1 / PageTop↑
シアター!
カテゴリ: 有川浩 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

「守銭奴けっこう! 金は正義だ!」


第百十八回。
有川浩の『シアター!』

春川巧の主宰する小劇団「シアターフラッグ」
人気はそこそこあるのだが、三百万円の負債により解散の危機に追い込まれていた。
巧は兄の司に泣きつく。
そこで司が三百万円を貸す条件とは、2年間で劇団の収入から三百万円を返すこと。
それができなければ劇団を潰すことだった。
新星プロ声優、羽田千歳と鉄血宰相、春川司を迎え入れ、新生「シアターフラッグ」が旗揚げされるのだが……。

面白かった。
面白かったのだが、まず、キャラクターが多すぎて把握し切れなかったというのがある。
登場人物紹介のページまであるのに、全員を把握し切れなかった。
せいぜい巧、司、千歳、牧子、石丸くらいか。
他は登場シーンも少なく、記憶に残りにくかった。

面白かった点も挙げていこう。
まず牧子がいい。
何年にも渡る不毛な片思いの切なさと、それでも強がれる強さ。
いいな~。

また、何だかんだで弟に甘い、鉄血宰相、司も良いキャラだ。
最初は潰れてしまえ、などと言っていたが、結局最後は応援してしまっている。
ブラコンもいいとこだ。
「社会人」としてズバズバ正論を言うさまも小気味良い。

巧の芝居に対する姿勢は、辻村深月の『スロウハイツの神様』に登場する狩野を思い起こさせた。
分かりやすすぎると批判される巧の脚本。

客が単純に笑って帰れる芝居があってもいいじゃないか

これは有川浩の意見なのかもしれない。
有川浩の作品も分かりやすいものが多いように感じる。
あるいは辻村深月と通じる所もあるのか。

甘い恋愛模様こそ描かれていないが、青春(と言うには少しみんな年がいっているが)模様と言うか人間模様が良く描かれている。
だが、まだ掘り下げる所がたくさんある気がする。
巧、牧子、千歳の三角関係や、司の抱く疎外感。
他の劇団員の事。
司と千歳の関係だって怪しい。
そういったところを含めて物語が完成しきっていない感じを受けた。
続編が出ているようなのでそっちで掘り下げられているだろうか。


評価:B+


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Edit / 2011.05.05 / Comment: 0 / TrackBack: 1 / PageTop↑
クジラの彼
カテゴリ: 有川浩 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

第百十七回
有川浩の『クジラの彼』

自衛官の恋愛を描いた短編集である。
『空の中』『海の底』の番外編も収録されている。
ちなみに激甘である
自衛隊物が好きで、激甘な恋愛物も好きな私にとってはたまらない一冊だ。


「クジラの彼」

「潜水艦とクジラが似てるってセンスに痺れたね。潜水艦乗りには殺し文句じゃない?」

表題作。
『海の底』の番外編。
冬原の恋愛模様を描いた一編。

合コンで意気投合し、付き合うこととなった冬原と聡子。
しかし潜水艦乗りの冬原とはなかなか会うこともできず、時折くるメールもそっけないものばかり。
仕事では社長のバカ息子の世話を任され、さらにそのバカ息子に付きまとわれて……。

如才ないように見えた冬原が、意外と不器用だったりして微笑ましい。
まあ結局上手い事やってしまうのだが。


「ロールアウト」
トイレの話(笑)
いや本当に。

自衛隊の次世代輸送機の開発を巡って繰り広げられる話の中に恋愛模様も混じってくる。
次世代機のトイレをカーテンで仕切った簡易式にするか、コンパートメント式にするかでメーカーと自衛隊側で対立が起こる。

この話に限らず話の落とし方が上手いな~と感じる。
読み終わった後幸せな気分になる。


「国防レンアイ」

こんな女を八年好きな俺もたいがい趣味が悪いわ。

自衛官同士の恋愛を描いた一編。

自衛官以外とばかり恋愛をして、全く上手くいかない三池。
その三池を八年間想い続けて来た伸下。
三池が失恋するたびに飲みに付き合わされる伸下が切ないな~。
これもまた良い終わり方。


「有能な彼女」

「結婚しないか」

これも『海の底』の番外編。
夏木と望のその後の話。
後日譚好きなので嬉しい一作だ。

望との付き合いや結婚について、うじうじうじ虫のように悩む夏木の不器用さがたまらなく良い。
望も随分変わったものだ。
しかしこっちが本来の姿なんだろう。
うじうじする夏木をぐいぐい引っ張る望は凛々しい。
口を開けば喧嘩ばかりと言うのも微笑ましい。

またこれも終わり方が良いのだ。


「脱柵エレジー」
駐屯地を抜け出し、彼女にこっそり会いにいく話、のように見せてそうではない。
自衛隊員との恋愛がいかに難しいかを描いている。

純粋な若者が必死で脱柵(自衛隊用語で脱走の事を指す)して会いにいったのに現実は厳しい。
そしてとってつけたようなオチだが不覚にもきゅんとしてしまった。
上手いな~。
締め方だけ見ればこれが一番好きかも。


「ファイターパイロットの君」

ああもう、カワイイなぁ畜生!

さあ、大本命だ。
『空の中』の番外編である。
高巳と光稀の後日譚だ。
この一編のために買ったといっても過言ではない。
この甘さは凶悪の一言に尽きる。
これだけ三回も読み返してしまった。

光稀の可愛さが尋常ではない。
読んでいてニヤニヤニヤニヤしてしまう。
顔が緩むのを止められない。
これはたまらない。
公共の場ではとても読めない。
それを公共の場で読んだ私はニヤニヤするたびに一呼吸入れ、表情を整えてまたニヤニヤの繰り返しだった。


一作一作のレベルが高く安心して読める。
ぜひとも、『空の中』『海の底』を読んだ後今作も読んで欲しい。


評価:AA


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Edit / 2011.05.01 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
プロフィール

gaker

Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
もう家に本を置く場所がありません。

リンクもトラックバックも昔の記事へのコメントも全部大歓迎です。

2008 11/13(木)開設

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D:ん~、微妙
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