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星を継ぐもの
カテゴリ: J・P・ホーガン / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

第百二回
J・P・ホーガンの『星を継ぐ者』

月面で死亡した人間の死体が発見される。
そしてその死体は五万年前に死亡したものだということが分かる。
いったい彼の正体は。
また木星の衛星ガニメデで、見つかった道の宇宙船の残骸との関連はあるのか。

ハードSFの超有名傑作だ。
だが、う~ん、やはり外国文学は私には合わないようだ。
読んでいて物語に入り込めないというか。
原文で読めればもっと楽しめたのかもしれないが、そこまでの英語力はもちろん私にはない。

まあそれでもそこそこは楽しめた。
オチは予想の範囲内だったが。
だが、オチを明かした人物は予想外だった。
お前が明かすんかい、と。
ダンチェッカーは途中から別人になったかの如く人格が変わった様に感じた。
前半の頑固な様はどこへ行ったのか。
終わり方は嫌いじゃない。
何と言うか寂寥感の漂ういいラストだった。


評価:C+


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(1980/05/23)
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Edit / 2011.02.26 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
ぼくのメジャースプーン
カテゴリ: 辻村深月 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

「ぼくは、ふみちゃんに、いつも堂々としてて欲しいんだ。そんな友達、ぼくにはふみちゃんしかいないよ。ぼくはふみちゃんと仲がいいことが自慢なんだ」


第百一回
辻村深月の『ぼくのメジャースプーン』

ぼくらの飼っていたうさぎたちがある日、一人の医大生にバラバラにされて殺された。
そのショックでぼくの幼馴染のふみちゃんは心を閉ざし、言葉を失った。
ぼくはふみちゃんのために犯人に「力」を使うことに決めた。
そして、そのチャンスは一度きり。

『子どもたちは夜と遊ぶ』に登場した秋先生が再登場する。
同作で謎だった、あの男子生徒に囁いた言葉も明らかになる。
その作品の謎はその作品で片付けるべきだと思わなくはないが、こういう趣向も個人的には嫌いではない。
あの時点でこの設定はあったのだろうか。
多分あったのだろう。
ここまではっきりしていたかは分からないが、秋先生が特殊な力の持ち主だという設定はあったように思う。
相変わらず秋先生は、人格者のようでいてそうでない。
つかみどころのない人物だ。
また、月子と恭司らしき人物も登場する。
月子もすっかり元気になったようでなによりだ。

ぼくの持つ「力」とは「条件ゲーム提示能力」と秋先生が名付けた能力だ。
簡単に言うと、「Aをしろ、さもなくばBになる」という条件を相手に強制することができる力とでもいったところか。
例えば「二階から飛び降りろ、さもなくば死ぬ」と言われた相手はどちらかを選ばなければならないのだ。
この場合は死を望んでいる人間が相手でもない限り、二階から飛び降りる方が選ばれるだろう。
そしてこの力は一人の人間に対して一度しか使えない。
これが一度きりのチャンスという意味だ。

相変わらず、人間の悪意を書くのが上手い。
登場シーンは少ないが、市川雄太という人間の不快なこと不快なこと。
彼の(多分)唯一の台詞がこれだ。

せっかく早起きしてわざわざやったのに、第一発見者、君? マジかよ。うっわ、萌えねぇー」

なんて台詞を考え付くのだろう。
悪意の塊ではないか。

ぼくは力の使い方を学ぶために秋先生の元へ通うことになる。
ただし、秋先生は飽くまでも指導するだけで、事態に積極的にかかわろうとはしない。
そしてぼくは市川雄太に使う力の内容を決める。
それは、心の底から反省し、後悔しないと、人間以外の動物の姿が見えなくなる、というものだった。
これがブラフであることにはまあ気付いた。
ただ実際にお僕がどんな力を使うつもりかは読めなかった。

まあ当たり前か。
当てるには情報が少なすぎる。

さて、相変わらず面白かった。
辻村深月は安定感がある。
この本を電車で読みふけっていて、降りる駅を過ぎてしまったくらいだ。
それでも『スロウハイツの神様』や『冷たい校舎の時は止まる』に比べると一枚落ちるか、という感じだ


評価:AA



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Edit / 2011.02.16 / Comment: 0 / TrackBack: 1 / PageTop↑
凍りのくじら
カテゴリ: 辻村深月 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

「『テキオー灯』」


第百回
辻村深月の『凍りのくじら』

記念すべき第百回である。
何か特別なことをしたかったが時間と気力の問題で通常運転だ。
できれば、『終戦のローレライ』か『Op.ローズダスト』の記事を書きたかった。
10000ヒットの時も何かしたかったがタイミングを逃した。
余談だが11111ヒットは自分で踏んだ(笑)

さて、あらすじだが、藤子・F・不二雄を先生と呼び敬愛する写真家の父親が、死を間際に失踪して五年。
高校生になった理帆子の前に写真のモデルになってほしいという少年が現れる。
そして同時期、ろくでもない彼氏と分かれた理帆子のもとに謎の警告が始まる。

周りの人間との間に一本線を引いて見下し、それでも一人ではいられない主人公芹沢理帆子。
彼女に共感できない人、できる人、両方いるだろう。
程度の差はあれ、理帆子のような考えを持っている人はそう珍しくないと思う。
ただ、彼女ほど徹底して、しかも自覚している人はほとんど、というか皆無に近いだろう。
しかもそれでいて、たくさんの友人がいる、「少し不在」な理帆子。
読んでいてあまり気持ちのいい主人公でないのは確かだ。

そして、その少しの不快感を膨れ上がらせるのが、理帆子の元カレ、若尾だ。
「少し腐敗」な彼は読んでいて非常にイライラする。
なぜこんなに不快なのか。
それは、彼の気持ちが、一部でも理解できてしまうからだ。
若尾はかなり極端だが、自分に甘く、責任を他の者に押し付け、いい訳の弁ばかりたつ。
誰でも少しは持っている部分だろう。
そう言う人の醜い部分を煮詰めた人間が若尾だ。
だからこそ不快なのだ。

理帆子と若尾の違いは色々あるけれど、結局は自覚の有無ということになるのか。
不幸な自分に酔ってしまえる若尾とそれができない理帆子。
そういうことだろう。

不思議な警告のドンキの袋だが、あれを警告と読みとれというのはちょっと苦しい。
もう少し分かりやすいものは何かなかったのだろうか。

理帆子は芹沢光として、『スロウハイツの神様』にも登場する。
また、郁也とともに話し方教室に通うふみちゃんは『ぼくのメジャースプーン』の主要な登場人物だし、郁也らしき人物も同作には登場している。
辻村深月の作品にはこうしたリンクが数多くあり、恐らくすべての作品の世界が繋がっているのだろう。
こういう仕掛けは結構好きだ。

若尾の腐敗は物語が進むにつれどんどん加速する。
若尾から離れられない理帆子が追いつめている部分もあるだろう。
読んでいてひどく不快になる部分が多くなっていく。
それでもページをめくる手が止まらないのは、面白いからだ。
若尾がどこまで堕ちていくのかを見たいという、理帆子と同じ最低な感情が湧くからだ。

そして若尾は理帆子が考えていた以上の場所まで堕ちる。

だが、その不快な世界は「彼」の一言で一気に色を変える。
何というか、心が震えた。
感動したと言うと安っぽくなってしまうが、私は確かに感動していた。
いやー、今回は見抜けなかった。
違和感はあったのだが、そう来たか。
ベタといえばベタだが、いいものはいい。

物語は人を救えるか、というのは辻村深月のテーマの一つだと思う。
『スロウハイツの神様』でも語られていたテーマだ。
そして辻村深月は、物語は人を救えると確信している。
そして恐らくは逆に壊すことがあるということも。
良くも悪くも物語は人を変えうると考えているのだと感じる。
私はたくさんの物語を読んできたが変わったのだろうか。
正直、わからない。
私にとって物語は、現実逃避のようなものだからかもしれない。
物語に没頭している時だけ現実のことを忘れられる。
そこから何かを得ようとはあまり思っていない。
ただ、読み終わって何かを得た、と思えたものはいくつかあった。
それが変わるということなのかもしれない。


評価:AA


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Edit / 2011.02.06 / Comment: 6 / TrackBack: 1 / PageTop↑
虚貌
カテゴリ: 雫井脩介 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

第九十九回
雫井脩介の『虚貌』

二十一年前、逆恨みから、運送会社を経営する一家が襲われた。
両親は惨殺され、長女は半身不随、後自殺、長男は大火傷を負った。
解雇された従業員三名の逮捕で事件は終わった。
しかし、主犯に祭り上げられた男の出所をきっかけに新たな事件が動き出す。

この事件を最後の事件と決めて捜査する、癌に侵された老刑事、滝中守年が渋くていいキャラをしている。
この手の刑事が往々にしてそうであるように、家族(といっても娘だけだが)と上手くいってないところも含めて人間味が合っていい。
相方となる辻は、穏やかな人柄で、この二人は結構名コンビのように思う。

さて、肝心の内容の方だが、面白くはあった。
なのだがやはりこれはミステリーとしてみればアンフェアだろう。
要のトリックにしてもそうだ。
特殊メイクで別人に化け、おまけに指紋まで偽造できるとあってはもう何でもありではないか。
でもまあ、個人的にはそれはまだ許せた。
ただ、坂井田を殺した際、地の文ではっきりと「荒」だと書いてしまっている。
これで別人だった
というのはやはり駄目だろう。

後は詰め込みすぎなんじゃないかとも感じた。
朱音のエピソードは必要なのか。
これはこれで別の作品で扱えばいいテーマのように思う。

ちなみに、この人が犯人だったら意外だよな~、と思っていた人が本当に犯人でびっくりした。
そして最後に彼が言ったこの一言だ。

「俺はやっていない」

いや明らかにやっている。
なのになぜあの場面で嘘をついたのか。
読み終わってもこれはわからなかった。

ミステリーとして読むと、やはりアンフェアだ。
ミステリーとして読まなければ十分に面白かった。


評価:B



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Edit / 2011.02.04 / Comment: 2 / TrackBack: 0 / PageTop↑
プロフィール

gaker

Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
もう家に本を置く場所がありません。

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2008 11/13(木)開設

評価基準
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AA:凄い
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B:面白い
C:暇つぶしには
D:ん~、微妙
E:読み進めるのが苦痛
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