スポンサーサイト
カテゴリ: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Edit / --.--.-- / Com: - / TrackBack: - / PageTop↑
惑星のさみだれ 10 ――全部 きみのためにある――
カテゴリ: 水上悟志 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

ぼくもこの惑星も
全部きみのためにある


漫画感想第十七回。
『惑星のさみだれ』第10巻
惑星をめぐる物語、堂々完結。
ネタバレ全開なのでご注意を。

とうとう終わってしまった。
でも、これ以上の完結はない。
そう思わせてくれる最終巻だった。

前巻でとうとうアニムスを倒した獣の騎士団。
ここにきて明らかになる衝撃の事実。
師匠こと秋谷稲近はアニムスが転生した人物だったのだ。
そうなるとあの台詞の重みも断然違ってくる。

私達は人間だ
…人間なのだよ

これは本人からの言葉だったのだ。
いやー、これにはびっくりだった。

そして本当の最終決戦が始まる。

はい獣の騎士団の皆
ちゅうもーく


mini_CIMG1727.jpg
惑星を砕くもの、魔王さみだれ。
そしてさみだれを止めようとした幻獣の騎士二人の前に立ちふさがる魔王の騎士夕日。
mini_CIMG1728.jpg
三日月はアニムス戦のダメージで立ち上がれない。
幻獣の騎士にハナコを加え、三対一となるが、夕日の掌握領域、天の庭<バビロン>の前に屈する三人。
白道さんなんか、きんちゃく袋にされていた。
イジメかっこ悪い。

しかし、祖父を許し、世界を愛せるようになった夕日が本当にまだ地球の破壊を望んでいるのだろうか。
答えはもちろん、否だ。
mini_CIMG1729.jpg
そしてそのことをさみだれもわかっていた。

知っとったよゆーくん
こうなるって
だって
ゆーくんはずっと
あたしのヒーローやったから

さみだれの内面が描かれるのは多分これが初めてだ。
太郎の死に涙を流せるさみだれが、本当に地球の破壊を望んでいるのか。
その疑問にも答えが出る。
本当は皆といきたかったのだ。
mini_CIMG1731.jpg

止まれ時間
止まれ!
止まって!! お願い!!
知ってたのに
知ってたのに何で今更 あたし

しかしいちいちさみだれの表情が切ない。
mini_CIMG1730.jpg



力を求め、方天戟を手にした夕日。
すると……。

超能力は適当でデタラメ
望み確信すれば
運命は答える


mini_CIMG1732.jpg
こうして黒龍の騎士の力を得た夕日は改めてさみだれを止めるべく戦う。

刹那の生を実感することが全てだった子供の頃のさみだれ。
しかし、さみだれは、幸福を知ってしまった。
世界を愛すだけでなく、世界も自分を愛してくれることを知った。
はじめて流れる日々を惜しむようになり、病の存在を思い出すことが増えた。
行けども引けども無。
mini_CIMG1733.jpg
もうさみだれには自分を止めることができなかった。
だから夕日が、止めなくてはならないのだ。
だが、天の庭も通じず、黒龍の力をもってしてもさみだれを止めることができなかった。
彼女は強くなりすぎたのだ。

夕日でも自分を止められないことを悟ったさみだれは空に昇る。
掌握領域を使い、必死に跳び上がる夕日だがさみだれには届かない。
その時、獣の騎士団全員の掌握領域が夕日をさらなる高みへ、さみだれの元へと押し上げる。
はっきり言ってここまで全てのシーンが熱くてたまらないのだが、その中でもこの辺りの熱さはもう異常だ。

時は止まらない
意思も変えられない
だから 全て 今日
終わらせる!!

君が好きだ
君を背負いたい
意思は変わらない
あの時から
ぼくが


mini_CIMG1734.jpg
そしてさみだれは夕日の手をとった。

ゆーくんあたし
ゆーくんが好き
この地球より
好き…


降りてきたさみだれを迎えるみんなの顔がまたいい。
mini_CIMG1735.jpg
そして…
mini_CIMG1736.jpg
避けられぬ別離が近づいてくる。
それぞれの相棒に別れを告げる面々。
中でも南雲とダンスの別れの場面が渋くていい。
多くは語らず、だ。
しかし、ノイとムーだけ相棒の元から離れない。
そう、本当のラストバトルは、夕日対三日月のライバル同士の決闘だったのだ。
今さらながら、頭の傷が二人に左右対称についていたりして、細かいところまでこだわりを感じる。
そして地味にムーが神鳥<フレスベルグ>になってるし。
夕日がフェイントに弱いってのも伏線だったんだなと改めて思う。
そして戦いの中でノイとムーもいってしまう。
mini_CIMG1738.jpg
アニマとさみだれの別れもいい。

…未来は…
未来は決まっていない
お前が決めろ

できる…かな


mini_CIMG1737.jpg

そして、時間軸は一気に十年後に飛ぶ。
物語はとうとうエピローグだ。
獣の騎士団のそれぞれの十年後が明らかになる。
ここまできっちり描いてくれる漫画はそうない。
読者としては非常にありがたい。
中でもあの人とあの人がくっついたのが意外すぎた。
これに関しては全く伏線がなかったはずだ。
そして肝心のさみだれだ。
さみだれは八年の闘病生活の後、彼女の母親による最後の手術を受けた。
それは見事成功した訳だが、その際の夫妻のやり取りがいい。
mini_CIMG1739.jpg
これはこの作品のテーマの一つだろう。
そして二年間のフランスでの療養の後今に至る。
mini_CIMG1740.jpg
相変わらずのようだ。

惑星を砕く物語は終わっても、彼らの人生は続いていく。
そういう希望に満ちあふれたラストだった。
素晴らしい、完璧なまでのハッピーエンド。
三巻あたりから盛り上がり始め、六巻でピークを迎えたこの物語はそのままピークをラストまで維持し続けた。
中だるみも引き延ばしもない、終わるべき時に終わったまさに大傑作だ。
ただ、裏表紙の新感覚ご近所ストーリーというのだけはいただけない。
全然違うではないか(笑)

本当に面白い作品だった。
これだけの作品はそうそうない。
出会えてよかったと素直に思う。



評価:AAA


惑星のさみだれ 10 (ヤングキングコミックス)惑星のさみだれ 10 (ヤングキングコミックス)
(2010/11/30)
水上 悟志

商品詳細を見る


にほんブログ村 小説ブログ 小説読書感想へ
にほんブログ村

スポンサーサイト
Edit / 2010.12.04 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
プロフィール

gaker

Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
もう家に本を置く場所がありません。

リンクもトラックバックも昔の記事へのコメントも全部大歓迎です。

2008 11/13(木)開設

評価基準
AAA:凄く凄い
AA:凄い
A:とても面白い
B:面白い
C:暇つぶしには
D:ん~、微妙
E:読み進めるのが苦痛
ランキング

にほんブログ村 小説ブログ 小説読書感想へ
クリックしていただけると嬉しいです。
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。