スポンサーサイト
カテゴリ: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Edit / --.--.-- / Com: - / TrackBack: - / PageTop↑
百万の手
カテゴリ: 畠中恵 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

第百十回
畠中恵の『百万の手』

『とっても不幸な幸運』に続き畠中恵の現代物。
過呼吸の発作持ちの主人公、音村夏貴。
ある日親友の正哉が目の前で火事で死んでしまう。
しかし死んだはずの正哉が携帯の中から話しかけてきた。
不審火であった火事の真相を探るため、夏貴と正哉は動き出す。

何というか詰め込みすぎな印象を受ける。
『とっても不幸な幸運』よりは読みやすかったが、やはり物足りなさも感じた。
それと正哉の退場が早すぎる。
あのタイミングで退場したら携帯に宿った意味がないではないか。
さらにいえば和美も引っ越してそのままフェードアウトとか。
キャラクターの使い捨て感がある。

後やっぱり詰め込みすぎ感が否めない。
クローンに、卵子提供に、異常な愛情を示す母親に、そのせいで起こる過呼吸に、携帯に宿る死んだ親友に。
今作が初めての現代物らしいから、張り切って詰め込みすぎたのか。

犯人に関しても、その後に関しても伏線があんまり張られていないのがな~。
唐突に感じてしまう。
意外ではあるのだがやられたとは思わない。

やっぱり時代小説の書き手何じゃないかという結論かな。


評価:C


百万の手 (創元推理文庫)百万の手 (創元推理文庫)
(2006/06/10)
畠中 恵

商品詳細を見る


にほんブログ村 小説ブログ 小説読書感想へ
にほんブログ村

スポンサーサイト
Edit / 2011.03.25 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
とっても不幸な幸運
カテゴリ: 畠中恵 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

第百九回
畠中恵の『とっても不幸な幸運』

『しゃばけ』シリーズで有名な畠中恵の現代物。
「酒場」という人を食ったような名前の酒場で、「とっても不幸な幸運」という不思議な缶をめぐって繰り広げられる様々な出来事。
ひねくれものだが、世話焼きな店長が、曲者ぞろいの客達が持ち込む厄介事を解決するという内容だ。
缶を開けた人間に訪れるのは不幸か幸運か。

あらすじだけを見ると結構好みな内容なのだが、ん~。
やっぱり時代小説家なのかな、という感じ。
何となく読んでいて物足りないというか、無理があるというか、そういう印象を受ける。

マジシャンのキャラクターがなんとなく『しゃばけ』っぽかった。
なんとなくだが。

まったく面白くない訳ではないのだが。
素直に面白かったとは言えないか。
そんな感じ。


評価:C-


とっても不幸な幸運 (双葉文庫 は 18-1)とっても不幸な幸運 (双葉文庫 は 18-1)
(2008/03/13)
畠中 恵

商品詳細を見る


にほんブログ村 小説ブログ 小説読書感想へ
にほんブログ村
Edit / 2011.03.19 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
おまけのこ
カテゴリ: 畠中恵 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

「でも、それでも死ぬと言われたら、怖いんでありんす」


第九十四回
畠中恵の『おまけのこ』

江戸にある長崎屋の若だんな一太郎と若だんなを取り巻く妖達の物語。
『しゃばけ』シリーズ第三弾。
全五編の短編集だ。

「こわい」
狐者異(こわい)という誰からも受け入れてもらえない妖の話。
若だんなは、幼馴染の菓子屋の跡取り栄吉と、栄吉の作った菓子のあまりの不味さから喧嘩をしてしまう。
そこに狐者異が職人の腕が上がるという秘薬をもって現れる。

誰にも受け入れてもらえず、しかもかかわった者は皆不幸になるといわれる狐者異が寂しい。
狐者異はそう生まれついてしまったのだ。
狐者異を受け入れようとして拒絶された若だんなが何とも悲しい。


「畳紙」
滑稽なまでの厚化粧をやめられないお雛。
その相談になぜか屏風のぞきが乗ることになる。

本心では厚化粧をやめたいと思っているお雛。
屏風のぞきと話すうちに自分の心と向き合っていく。
そして、祖父母に本当に大切に思われていたことを知って、厚化粧をやめる決意をする。
於りんもちょっとだけ再登場。
相変わらず愛らしい。


「動く影」
まだ仁吉や佐助が長崎屋にくる前のこと。
若だんなの初めての推理の話。

推理が少し強引な気もしたがそこは子供の考えだし、というところか。
影女に怯えながらも頑張る子供たちが可愛らしい。


「ありんすこく」
何とあの若だんなが、吉原の禿(かむろ)を足抜けさせて一緒に逃げると言う。
もちろんその話には裏があった。

楼主に恩返しをしたいと思いながらも死の恐怖に耐えられないかえで。
嫉妬から楓の足抜けを邪魔してしまうまつばが悲しい。
人の気持ちは分からないものだ。


「おまけのこ」
鳴家(やなり)の大(?)冒険を描いた表題作。
「月の光の玉」を守るために鳴家が孤軍奮闘する。

話の主人公が鳴家だったからか最初から最後まで明るいトーンでよかった。
何にでも必死な鳴家が可愛い。


前巻より明るい話が多かったように思う。
読みやすくて面白いのは相変わらず。
ただ、個人的には『ねこのばば』の方が好きだ。
こちらもけして悪くはないのだが。
後味が悪い方が味があるのかもしれない。


評価:A


おまけのこ (新潮文庫)おまけのこ (新潮文庫)
(2007/11)
畠中 恵

商品詳細を見る


にほんブログ村 小説ブログ 小説読書感想へ
にほんブログ村

Edit / 2011.01.23 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
ねこのばば
カテゴリ: 畠中恵 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

「ねえ一太郎さん。私はまだ、思い悩んでいるんですよ。選びたくない道しか目の前にないとき、人はどちらを向いて、足を踏み出すんだろうか……」


第九十三回
畠中恵の『ねこのばば』

江戸にある長崎屋の若だんな一太郎と若だんなを取り巻く妖達の物語。
『しゃばけ』シリーズ第三弾。
全五編の短編集だ。

「茶巾たまご」
珍しく調子のいい若だんな。
長崎屋の景気も良く、いいことずくめ。
いったい何が原因か?

明るく始まるが後味が非常に悪い。
なぜ殺してはいけないか。
これにちゃんと答えられる人は意外と少ないだろう。


「花かんざし」
妖の姿が見える迷子の於りん。
しかしあたりに親はおらず、家に帰ると殺されると於りんは言う。

一番好きな話。
宮部みゆきの『あかんべえ』しかり、時代小説に出てくる少女というのはなぜこうも愛らしいのか。
しかし内容はヘビーでまたも後味の悪い終わり方だ。
精神に病を抱えた人間の凶行。
罪に問えない罪。
現代でもよく聞く話だ。
答えの出る問題ではないのかもしれない。


「ねこのばば」
表題作。
猫又に頼まれ、寺に囚われた猫又になりかけた猫を助けに行った若だんな。
しかしそこには殴り殺された僧侶の死体があった。

三度後味が悪い。
それなのに全体を見るとそう感じないのは登場人物たちのコミカルさ故だろう。


「産土」
店の景気が悪くなり、払わなければいけない金ができると、どこからか金が現れる。
それはよくないことだと感じた佐助はその秘密を調べるのだが……。

ホラー調の話。
仁吉が出てこないから叙述トリックには早い段階で気づいた。
これまた後味の悪い話。

「たまやたまや」
若だんなの親友、栄吉の妹お春に縁談の話が来た。
しかしお春は若だんなに思いを寄せており乗り気ではない。
そこでなくした煙管を探してくれたら縁談を受けてもいいという。

五編の中で唯一後味の悪くない話だ。
しかし、少し切ない。
若だんなはお春のことを本当はどう思っていたのだろう。


全体的に後味の悪い作品が多いが、序盤は全てコミカルだ。
過保護な仁吉と佐吉や鳴家、屏風のぞきなどの妖達のおかげだろう。
また若だんなが名推理で謎を解き明かしていくのを読むのは爽快だ。
読みやすく、面白い。
そして最後は甘苦い。
いい小説だ。


評価:A+


ねこのばば (新潮文庫)ねこのばば (新潮文庫)
(2006/11)
畠中 恵

商品詳細を見る


にほんブログ村 小説ブログ 小説読書感想へ
にほんブログ村
Edit / 2011.01.22 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
プロフィール

gaker

Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
もう家に本を置く場所がありません。

リンクもトラックバックも昔の記事へのコメントも全部大歓迎です。

2008 11/13(木)開設

評価基準
AAA:凄く凄い
AA:凄い
A:とても面白い
B:面白い
C:暇つぶしには
D:ん~、微妙
E:読み進めるのが苦痛
ランキング

にほんブログ村 小説ブログ 小説読書感想へ
クリックしていただけると嬉しいです。
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。