エヴァンゲリオン新劇場版:序
カテゴリ: アニメ / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

私は、エヴァをリアルタイムで見た世代からは少し外れている。
再放送で見た口だ。
だが、再放送で全部の回を見たし、それであの終わり方が意味わからなかったので、劇場版も見た(劇場版では何といっても量産機が格好良かったなぁ)。
そして、何とか人類補完計画の意味も、あのオチの意味も大体は理解できたつもりでいる(それもだいぶ昔なので怪しいが)。
だから、最初エヴァがリメイクされると聞いた時は、単純にリメイクするだけなら見なくてもいいかと思っていた。
過去の遺産にすがっちゃいますか〜とも思っていた。
ところが、どうも単純なリメイクではないという噂を小耳にはさみ、これは見なくては、と思い、ツタヤへと走った(ちなみにテレビでやっていたのは見逃した)。
そして、たった今、「序」を観終わったわけだ。

一応以下はネタばれも含む。




いきなり大きな違和感があった。
海が赤い。
この段階で一つの仮説が浮かぶ。
おそらく旧版の劇場版まで見たほとんどの人にも同じ仮説が浮かんだだろう。
しばらくは昔と同じ流れで進む、テンポが速いのは尺の問題だからまあ仕方ない。
そこでまた違和感。
第四使徒?
確かサキエルは第三使徒だったような。
他にもその次の使徒がやられた後に消えてしまったりとか(確か旧版では回収されて使徒と人類の遺伝子がほぼ一致するとかいうくだりがあったような)、細かい変更点は多く、その全てがストーリー上あまり意味のない、演出の変更というわけでは、当然なさそうだ。
個人的な一番の変更点はやはりレミエルだろう(ガトリングも捨てがたいが)。
形、変わる変わる。
以前はずっと八面体のまま変わらなかったのに、もう、分裂したり変形したりやりたい放題だ。
ただ、ドリルに関しては、以前の無骨な感じの方が好みではある。

まあ、それはいいとして、最後、いきなりカヲルが登場した。
そして彼の独白(「また三番目〜」のくだり)を聞いて確信。
やはり新劇場版は二週目、あるいは二週目どころではないかもしれないが、旧版のリメイクではなく、続編、いや、完結編というべきものなのだろう。

また、リリスが変わっていたことも、重要な変更点だろう。
わざわざあの時点で見せたのだからなおさらだ。
旧版ではなかったし。
あの使徒の仮面(旧版ではあれってサキエルと分裂するやつ以外にもついてたっけ?)がついてた。
そして、旧版でネルフの地下にあったものはカヲルのそばにあるようだ。
これは恐らくだが、新劇場版のネルフの地下にあった方は仮面の下はレイの顔じゃないだろうか。
シンジとアスカがアダムとイヴになったあのラストの続きだと考えれば、増えた一体は、あの巨大なレイだと考えるのがいいような気がする。
つまり、第一使徒がシンジで、第二使徒がアスカ、第三使徒がレイか。
ん?じゃあ旧版の地下にあったあれはなんだったんだ?
よくわからなくなってきた。

さらに、次回予告でぶったまげた。
新キャラに新エヴァ?
五号機?六号機?
それって量産機じゃなかったけ?
どうもこれは結末がだいぶ変わってくるのだろうね。
「破」というタイトルもそう考えれば暗示的だ。

いや〜、面白いな〜。
続きが楽しみ。
映画館いっちゃおうかな〜。
でも人ごみ苦手だしな〜。



評価:AA+




ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 通常版 [DVD]ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 通常版 [DVD]
(2008/05/21)
三石琴乃林原めぐみ

商品詳細を見る

Edit / 2009.07.05 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
殺戮にいたる病
カテゴリ: 我孫子武丸 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

第五十九回。
我孫子武丸の『殺戮にいたる病』

これは、本当にもう、「やられた」としか言えない。
いや、知ってはいたのだ。
この作品がどういった性質のものであるかは。
でもやられた。
どこに罠を張っている? 何で騙そうとしている?
と、かなり穿った読み方をしたにもかかわらず、真相は思いもしない場所から現れた。
もう完璧にぐうの音も出ないほどにやられた。
決定的な文章まで本当に全く考えもしなかった。
いや、ほんと、やられた。

ちなみにかなり猟奇的な描写の多い作品だが、なぜかあまり「コな」かった。
何故だろう?
思うに、それは全て死んだ後に行われたからだ。
そして、犯行は常に犯人である蒲生稔(あ、ちなみに犯人の名前は全くネタばれではない)の視点で描かれ、殺される側の心理描写が少ないからだろう。
これがもしまだ生きているときに行われたことだったら、それが被害者側から描かれていたら…うん、きついわ。

死にいたる病=「絶望」なら、殺戮にいたる病=「??」
普通に考えれば「マザーコンプレックス」なんだろうけど。
それはちょっとストレートすぎるかな。
もっとしっくりくるのはないだろうか。
というか作者はどんな言葉を当てているんだろうか?

なにはともあれ、凄かった。
是非、騙されて下さい。



評価:AA+



殺戮にいたる病 (講談社文庫)殺戮にいたる病 (講談社文庫)
(1996/11)
我孫子 武丸

商品詳細を見る

Edit / 2009.06.24 / Comment: 0 / TrackBack: 1 / PageTop↑
子どもたちは夜と遊ぶ
カテゴリ: 辻村深月 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

第五十八回。
辻村深月の『子どもたちは夜と遊ぶ』

久しぶりの大当たり。
この人の作品はこれが初めてだが、名前は以前から気になっていた。
デビュー作の『冷たい校舎の時は止まる』というタイトル。
センスの塊ではないか。
こんなタイトルの作品がつまらないはずはないと。
にもかかわらず、まだ読んでいないのだが。
そして先にこっちを買ってしまった。

内容は、ああ、本当にきつい。
読み進めるのがきつかった。
もちろん、文章力がないとか、展開が破綻しているとか、そういうことではない。
否応なく悲劇へと突き進んでいく浅葱が、哀しくて、残酷で、つらい。
特に四章以降が……。

また、ミステリーとしてもよくできている。
なんというか、最初から最後まで作者に振り回された感があった。
「i」の正体自体は正直そこまで意外ではない。
結構誰もが考える点だと思う。
ただそこに至るまでがすごい。
「ああ、なるほど、こいつだな」と思っていると、すぐに作者に先回りされて「こいつだと思った? 残念でした。違います」と言われているようで憎たらしい。
特に、恭司はだいぶ疑った。
そしてそれは完全に作者の手の中だったようだ。
ちなみに最初は「i」は「isolation」の「i」で犯人は狐塚だ、と思った。
が、見ての通り狐塚の「こ」はきつねだ。
孤独じゃない。
序盤で名字を印象付けたのも怪しいとか思ってた自分が恥ずかしい。
しかも、「指定」されるまで気づかなかったし。
ただの馬鹿じゃないか(笑)

そして、圧巻がラストだ。
エピローグのタイトルを見て、えー、そう落ち着くのか、と思った。
そして少しの違和感。
直後に明かされる衝撃。
これだけの内容の濃い、理不尽な死がたくさんある物語にも関わらず、この余韻、この後味。
素晴らしい。

最後に
恭司が男前すぎるやろ。

これ以上あまり詳しくいってもしょうがないし、ネタばれせずに語るのも難しい作品だ。
ぜひ読んでいただきたいと思う。




評価;AA




子どもたちは夜と遊ぶ 上 (1) (講談社文庫 つ 28-3)子どもたちは夜と遊ぶ 上 (1) (講談社文庫 つ 28-3)
(2008/05/15)
辻村 深月

商品詳細を見る
子どもたちは夜と遊ぶ 下 (3) (講談社文庫 つ 28-4)子どもたちは夜と遊ぶ 下 (3) (講談社文庫 つ 28-4)
(2008/05/15)
辻村 深月

商品詳細を見る


ちなみに、デビルサバイバーは一段落。
まだルシファー倒してないけど、三周したし、ちょっと休憩。
そしたら、つい、買っちゃった。
MOTHER3MOTHER3
(2006/04/20)
GAMEBOY ADVANCE

商品詳細を見る

やっぱ面白い。
これも、雑記書きたいな。
まだ序盤だけど、『MOTHER2』の感じで始めたら一章から重すぎてびっくりしたし。



Edit / 2009.06.23 / Comment: 2 / TrackBack: 0 / PageTop↑
空を見上げる古い歌を口ずさむ
カテゴリ: 未分類 / テーマ: 読書感想文 / ジャンル: 小説・文学

第五十七回。
小路幸也の『空を見上げる古い歌を口ずさむ』
第二十九回メフィスト賞受賞作。

酒の勢いで連続更新。
読んだ本はだいぶたまっている。
ちなみに飲んでるのはこれ。
度数が強めで手軽に酔える。
サントリー −196℃ ストロングゼロ ダブルレモン 350ml×24缶サントリー −196℃ ストロングゼロ ダブルレモン 350ml×24缶
()
不明

商品詳細を見る


タイトルに惹かれて買った作品。
作者は全然知らなかった。

物語は終始、「僕」の兄の回想という形で進む。
そしてその回想は、内容だけを見れば、不可解で、残酷な部分も含んでいるのだが、その雰囲気は穏やかで、やはりどこか懐かしい。
「昔」を手放しに賛美するつもりはない。
だがそれでも懐かしいと感じてしまうのはなぜだろう。
これが原風景というやつだろうか。

不思議なものに名前が付けられ、原理を明かされると、とたんに嘘くさくなることが多い。
大風呂敷を広げたが収束に失敗した作品に多い傾向だろうか。
だが、この作品にはそれはない。
おそらくは、人の顔がのっぺらぼうに見えるというこの現象の大部分を謎のままにしたことが大きいのだろう。
それでいて大体の部分を創造することができるから、投げっぱなし感もない。

ちなみにこのタイトルはお気に入りなのだが、最初は「空を見上げる。古い歌を口ずさむ」という風に、二文になっていると思っていた。
読んだらわかるが、これは「空を見上げる古い歌」を口ずさむ、なのだ。
この時点で勘のいい方なら気づいたかもしれないがこの「空を見上げる古い歌」とは、おそらく日本でもっとも有名な歌の一つであるアレだ。
あえて曲名は言わない。

似た感じのタイトルが近作にあるようだが、続編だろうか。



評価:A+



空を見上げる古い歌を口ずさむ (講談社文庫)空を見上げる古い歌を口ずさむ (講談社文庫)
(2007/05/15)
小路 幸也

商品詳細を見る



Edit / 2009.06.12 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
船宿たき川捕物暦
カテゴリ: 樋口有介 / テーマ: 感想 / ジャンル: 小説・文学

第56回。
樋口有介の『船宿たき川捕物暦』

ゲームばかりやってないで小説の感想も書かなくては。

それにしても、この人が歴史物も書いてるとは知らなかった。
まあきっと例によって無駄にもてる主人公なんだろうと思ったが……その通りだった(笑)
ただその主人公真木倩一郎が柚木草平と違うのは小野派一刀流の「青鬼」の異名通り、鬼のように強いということ、そして一途だということだ。
道場の娘、綾乃や、幼馴染の由紀江など女性は複数登場するが、メインを張るのは岡っ引きのまとめ役、米造の娘、お葉だ。
さらわれそうになったところを倩一郎に助けられるという登場シーンなのだから恐れ入る。
ヒロインの王道だ。
だが、こんなヒロインの王道の登場をしておきながら、出戻りだったりするあたりが何とも樋口有介らしいではないか。

お葉のかどわかしの犯人を探るうちに、背後に浮かび上がる田沼の名。
このあたりが物語の本筋となる。
のだが、いろいろと回収されていない伏線があるような。
由紀江は? 米造の息子夫婦を殺した犯人は?
見落としたわけではないと思う。
最初から続編を書くつもりだったのだろうか。
期待しておこう。

余談だが、倩一郎は躊躇なく人を斬る。
江戸時代の侍であることを思えば当たり前なのだが、意外とそういう作品は少ないのではないだろうか。
歴史物にあまり現代の価値観を当てはめるのは好きではない。
その点この作品は良かった。
江戸という時代を卑下も讃美もせずに淡々と描いている(もちろん史実に忠実かどうかとは別の問題だ)。
倩一郎があんまり淡々と人を斬るから、これはダークサイドに堕ちるかとも勘ぐった。
米造の息子夫婦を殺したのはまさか、などとも一瞬思ったが、当然違った。

結論としては、面白かった。
続編はもう文庫化されているのだろうか。



評価:A



船宿たき川捕物暦 (ちくま文庫)船宿たき川捕物暦 (ちくま文庫)
(2007/08)
樋口 有介

商品詳細を見る

Edit / 2009.06.12 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
プロフィール

gaker

Author:gaker
福井晴敏と本多孝好が好きです。大好きです。
もう家に本を置く場所がありません。
2008 11/13(木)開設

評価基準
AAA:凄く凄い
AA:凄い
A:とても面白い
B:面白い
C:暇つぶしには
D:ん〜、微妙
E:読み進めるのが苦痛
ランキング

にほんブログ村 小説ブログ 小説読書感想へ
クリックしていただけると嬉しいです。
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
FC2カウンター
検索フォーム
Ring Clock
ブロとも申請フォーム
RSSリンクの表示
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

QRコード
QRコード